キノロン系で結核の診断が遅れる・症状がマスクされる理由
キノロン系抗菌薬により結核の症状がマスク(隠される)される。
これはキノロン系抗菌薬の一部が結核治療に用いられるため、一時的に症状が良くなるから。
しかし、結核の治療には多剤併用療法が必要であり、キノロン系単剤の投与では治癒できない。
一時的に症状が良くなることで、臨床症状が失われるため、結核の診断が遅れると考えられる。
掛屋氏によると、結核患者にフルオロキノロン系抗菌薬を単独で投与した場合、一時的に症状が良くなるが結核を治癒させることはできない。この間に結核診断がさらに遅れる、あるいは不適切治療に伴う薬剤耐性の誘導が起きるリスクも上昇する。フルオロキノロン系抗菌薬の一部は結核治療の二次治療レジメンとして各国のガイドラインで推奨されている。しかし、結核治療では結核菌を確実に撲滅し、新たな耐性を誘導しないため3剤以上の併用療法が必須とされている(結核 2014; 89: 683-690)。
出典:https://www.m3.com/clinical/news/521183
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