ニカルジピンとは?
ニカルジピンとは、一般名です。
注射用Ca拮抗剤になります。
日本では1998年に発売されました。
ニカルジピンの作用機序
ニカルジピンは、血管平滑筋へのCa2+の取込みを抑制することで、血管を拡張させる。
その結果、末梢血管抵抗が減少することで血圧が下がる。
血管平滑筋に対する作用は、心筋に対する作用の30,000倍強く、血管選択性が高い。
ニカルジピンの効果
・手術時の異常高血圧の救急処置
・高血圧性緊急症
・急性心不全(慢性心不全の急性増悪を含む)
静注で使用できるため、手術時や高血圧緊急症などで内服不可能かつすぐに血圧を下げる必要がある場合に有用と思われる。
ちなみに、高血圧緊急症の定義は「血圧の高度の上昇(180/120 mmHg以上)によって、脳、心、腎、大血管などの標的臓器に急性の障害が生じ進行しているため、直ちに降圧治療を開始しなければならない病態。」である。
高血圧緊急症かどうかは、血圧のレベルで判断するのではなく、臓器障害の有無で考えるのが重要。
悪性高血圧、高血圧性脳症、脳出血、くも膜下出血、大動脈解離など。
ニカルジピンの用法・用量
・高血圧性緊急症の場合:
生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で希釈し、ニカルジピンとして0.01~0.02%(1mL当たり0.1~0.2㎎)溶液を点滴静注する。
この場合1分間に、体重1㎏当たり0.5~6μgの点滴速度で投与する。
なお、投与に際しては1分間に、体重1㎏当たり0.5μgより開始し、目的値まで血圧を下げ、以後血圧をモニターしながら点滴速度を調節する。
1分間体重1㎏当たり0.5~6μgの点滴速度とは、
1分間体重1㎏当たり0.5μgの点滴速度
0.5μg×50kg×60分=1500μg/時間=1.5mg/時間
1ml=1mgより、1.5ml/時間
よって、
50kg→1.5ml/時間
60kg→1.8ml/時間
70kg→2.1ml/時間
80kg→2.4ml/時間
1分間体重1㎏当たり6μgの点滴速度
50kg→18ml/時間
60kg→21.6ml/時間
70kg→25.2ml/時間
80kg→28.8ml/時間
つまり、体重50kgの場合、1.5ml/時間から開始し、目的値まで血圧が下がるまで増量する。以後血圧をモニターしながら点滴速度を調節する。
ニカルジピンは静注薬として代表的なものです。特に救急で、高血圧緊急症や頭蓋内出血での降圧で使用します。本来静脈炎のリスクが高く希釈して使用するべき薬剤ですが、救急では原液でシリンジポンプで使用することが多いです(具体的には10mg/10mlで1Aのものがあるので、それを3A使用し、シリンジポンプにつなぐ)。また配合変化が多い薬剤でもあるため、同一ルートの薬剤に注意が必要です。bolusの投与を行う場合もあれば、bolusせずに持続投与をそのまま開始する場合もあります。多くの場合2-4mg/hr(原液では2-4ml/hr)程度から開始し、適宜調整していきます。
添付文書では、静脈炎予防のために希釈すると書かれているが、実際の救急の現場では原液でシリンジポンプで使用されることが多い。
急ぐ必要があるのと、希釈すると用量がわかりにくくなるからだろうか。
〈用法・用量に関連する使用上の注意〉
血圧が目標値に達した後、引き続き降圧治療が必要で経口投与が可能な場合には、経口投与に切り替える。
高血圧性緊急症において、本剤投与終了後に血圧が再上昇することがあるので、本剤の投与を終了する際には徐々に減量する。投与終了後も血圧を十分に管理すること。経口投与に切り替えた後も血圧の再上昇等に注意する。
ニカルジピンの重大な副作用
麻痺性イレウス
低酸素血症
肺水腫、呼吸困難
狭心痛
血小板減少
肝機能障害、黄疸
ニカルジピンの警告
脳出血急性期の患者及び脳卒中急性期で頭蓋内圧が亢進している患者に投与する場合には、緊急対応が可能な医療施設において、最新の関連ガイドラインを参照しつつ、血圧等の患者の状態を十分にモニタリングしながら投与する。
ニカルジピンの禁忌
急性心不全において、高度な大動脈弁狭窄・僧帽弁狭窄、肥大型閉塞性心筋症、低血圧(収縮期血圧90mmHg未満)、心原性ショックのある患者:心拍出量及び血圧がさらに低下する可能性があるから。
急性心不全において、発症直後で病態が安定していない重篤な急性心筋梗塞患者:広範囲、3枝病変による梗塞等の重篤な急性心筋梗塞患者では血行動態の急激な変化を生じることがあり、さらに病態が悪化するおそれがあるから。
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