クッシング症候群の鑑別まとめ
副腎性 | 下垂体性 | 異所性 | |
病態 | 副腎の腺腫や癌がコルチゾールを産生する | 下垂体腺腫がACTHを産生し、コルチゾールが増加 | 肺小細胞がんなどが異所性にACTHを産生し、コルチゾールが増加 |
疾患 | 副腎腺腫 副腎癌 | 下垂体腺腫 | 肺小細胞がん:: 異所性ACTH産生腫瘍 |
共通する検査所見 | 17-ヒドロキシコルチコステロイド(17-OHCS)↑ | 17-OHCS↑ | 17-OHCS↑ |
デキサメタゾン抑制試験 | 抑制されない | 抑制される | 抑制されない |
CRH刺激試験 ※ACTH負荷ではない | 反応あり | 反応なし | |
アドステロールシンチ 鑑別! | 片側に集積 | 両側に集積 | 両側に集積 |
下垂体性だけがデキサメタゾン抑制試験やCRH刺激試験に反応すると覚える。
尿中17-OHCSは、コルチゾール、デオキシコルチゾールやこれらの代謝産物を総和として測定したもので、コルチゾール分泌を反映するので、全てで上昇する。
クッシング症候群の鑑別
出典:イヤーノート cushing症候群
血中コルチゾール高値や尿中遊離コルチゾール高値があれば、クッシング症候群の鑑別を行う。
まずは、一晩だけ少量の副腎皮質ホルモンであるデキサメタゾン(DEX)を投与する。
少量のデキサメタゾンでコルチゾールの抑制があれば、正常と考える。
これは、フィードバックが正常に機能しており、下垂体性、異所性、副腎性などの自律的なコルチゾールの分泌がないと考えられるからだ。
少量のデキサメタゾンでコルチゾールの抑制がなければ、クッシング症候群と考えて、下垂体性、異所性、副腎性のいずれであるかを鑑別する。
次に、血中ACTHをみる。
ACTHが低値ならACTH非依存性、つまりACTHの下位である副腎に原因があると考えられる。
確認のために、デキサメタゾン大量投与で、ACTHが低値のままなら副腎が原因と考え、副腎腺腫、副腎皮質癌、両側副腎過形成のいずれかと考えて、画像診断をする。
一方、血中ACTHが正常〜高値の場合、ACTH依存性、つまりACTHが病態に関与していると考えられるため、下垂体もしくは異所性が原因と考えられる。
さらなる鑑別のために大量デキサメタゾンを投与。また、CRHも投与する。
デキサメタゾンでACTHが抑制されず、CRHを投与してもACTHが高値のままなら、ACTHはコルチゾール分泌系とは別の場所から分泌されていると考えられるため、異所性と考える。
一方、少量デキサメタゾンでは、抑制されないが、大量デキサメタゾンで抑制される。
また、CRH刺激に反応しACTHが上昇する場合は、下垂体性と考えられ、クッシング病と考えられる。
なぜかはよくわからないが、下垂体腺腫が原因の場合、少量だと反応はしないが、大量だと反応する。
これはそのまま覚えるしかないか。
※デキサメタゾンで抑制される:負のフィードバックでACTHが抑制される結果、コルチゾールも減少するということ。
ちなみに、異所性と副腎性ではデキサメタゾン抑制試験やCRH試験に全く反応しない。
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