113回医師国家試験

ワレンベルグ症候群の病態、症状、治療

ワレンベルグ症候群の病態


出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BB%B6%E9%AB%84%E5%A4%96%E5%81%B4%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4

別名は延髄外側症候群。

延髄背側の外側が椎骨動脈や後下小脳動脈の閉塞、もしくは椎骨動脈解離によって、循環障害をきたすことで神経症状をきたす疾患。

顔面と上下肢で温痛覚障害の側が逆になるのが特徴的。

ワレンベルグ症候群の症状


出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BB%B6%E9%AB%84%E5%A4%96%E5%81%B4%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4

病態を理解するには、障害される神経線維とそれに伴う症状を覚える必要がある。

障害される神経線維症状
前庭神経核眼振
中枢性めまい
など
迷走神経背側核球麻痺(嚥下障害、構音障害、流涎など)
カーテン徴候
味覚障害
孤束核(迷走神経の求心線維が終わるところ)
疑核(舌咽N、迷走Nの運動核)
下小脳脚小脳性運動失調:筋力の正確なコントロールができなくなる
交感神経下行路ホルネル症候群
三叉神経脊髄路同側の顔面の温痛覚障害
外側脊髄視床路反対側の首から下の顔面の温痛覚障害

一方で、錐体路や内側毛帯、舌下神経核は障害されないことに注意する。

なので、片麻痺や深部感覚は障害されないと考える。

延髄腹側を通る錐体路は正常なので、片麻痺はない。

深部感覚を司る後索から繋がる内側毛帯も正常。

舌下神経核はかなりの内側にあるので、障害されない。

ワレンベルグ症候群で顔面と上下肢で温痛覚が逆になる理由

顔面と上下肢で温痛覚障害の側が逆になるのが特徴的。

これは、顔面の温痛覚を伝える神経は皮膚→同側の脳幹を下行→交叉し反対側を上行→大脳皮質感覚野へと走行するので、延髄の神経が障害されると同側の温痛覚が障害される。

しかし、頚部から下の温痛覚を伝える神経は、皮膚から脊髄に入るとすぐに交叉し、反対側の脊髄を上行するので、延髄の神経が障害されると、反対側の首から下の温痛覚が障害される。

ワレンベルグ症候群では、その他にも眼振やめまい、球麻痺、小脳失調、ホルネル症候群などの様々な神経症状をきたすが、いずれも障害側と同側に症状があらわれる。

ワレンベルグ症候群の治療

治療は原疾患の治療を行う

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