伝染性膿痂疹とブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群の違い
伝染性膿痂疹 | ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群 | ||
分類 | 水疱性膿痂疹 | 痂皮性膿痂疹 | |
英語 | SSSS:staphylococcal scalded skin syndrome | ||
病態 | 皮膚の浅層に細菌が感染し、水疱や膿疱をきたす。 表在の皮膚の細菌感染症。 | 黄色ブドウ球菌の外毒素が血中に入ることで、直接作用やアレルギー作用によって全身の皮膚が熱傷の時のように剥離する | |
好発年齢 | 乳幼児 | 全年齢 | 6歳以下(特に0~3歳に多い) |
症状 | 水疱 破れてびらん | 膿疱 痂皮 | 眼、口周囲の発赤、亀裂 出典:107A45 ↓ (続いて) 全身皮膚の発赤、腫脹 出典:101A6 水疱、痂皮形成 |
起因菌 | 黄色ブドウ球菌の外毒素 | 溶連菌 | 黄色ブドウ球菌の外毒素 |
粘膜症状 | – ※SJSやTENとの鑑別に有効? | ||
所見 | ニコルスキー現象+ | ||
診断 | 水疱の内容物の培養 | 膿疱の内容物の培養 | 鼻、咽頭腔、眼脂などから黄色ブドウ球菌検出 |
治療 | 抗菌薬内服、外用 | 抗菌薬内服、外用 | 抗菌薬 |
合併症 | SSSSへ移行しうる | 腎炎:溶連菌が原因だから |
咽頭や鼻腔などに感染した黄色ブドウ球菌が産生するエンテロトキシンが、血流を介して全身の皮膚に達して、広範な熱傷様の表皮剥離を引き起こすのがブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群。
一方。皮膚局所に感染した黄色ブドウ球菌が産生するエンテロトキシンにより、その部位だけに水疱が生じるのが伝染性膿痂疹。
つまり、限局性か、血流に乗って全身に広がるかの違いがある。
治療は、どちらも黄色ブドウ球菌が原因なので抗菌薬。
しかし、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群では、全身に症状が出るので、全身管理、輸液などが必要になる。
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