呼吸器内科

気管支喘息(喘息)の病態、原因、症状、診断、治療

気管支喘息の病態

気管支に慢性炎症が起きており、刺激に対して敏感になっている。

ハウスダスト、花粉などのアレルゲンや温度変化、タバコ、ストレスなどの刺激がきっかけとなり、粘膜の腫れ、粘液分泌、気管支平滑筋の収縮が起こることで呼吸困難や喘鳴をきたす。

小児喘息の発症年齢ピークは1〜2歳。

アトピー疾患の家族歴がリスク因子となる。

気管支喘息の症状

発作性の呼吸困難

喘鳴

湿性咳嗽・乾性咳嗽どちらも

急に気管支が狭窄し、ゼーゼーといった喘鳴を伴う呼吸困難発作を繰り返す。

乾性咳嗽である場合もあることに注意する!

気管支喘息の原因

ハウスダスト、タバコ、上気道感染、ペット、ストレス、気温変化

発作が起こりやすい時間:夜間から早朝

夜になると副交感神経が優位となり、気管支が収縮するから。

気管支喘息の診断

聴診:wheezes、呼気延長(気道の狭窄のため)

呼吸機能検査(スパイロメトリー):1秒量↓、1秒率↓

血液検査:好酸球↑、IgE↑

呼気NO濃度測定検査:呼気中NO濃度上昇

 

β2刺激薬吸入で1秒量が改善

気管支喘息の気道閉塞は可逆性なので、β2刺激薬吸入で1秒量が改善する

気管支喘息では気道に炎症が起きていて、炎症性サイトカインが分泌される。すると、気道上皮で一酸化窒素(NO)を作る酵素が増えて、大量のNOが産生される。

気管支喘息の治療薬

気管支喘息の治療薬は、コントローラー(長期管理薬)とリリーバー(発作治療薬)にわかれる。

また、それぞれ抗炎症薬と気管支拡張薬がある。

このような2つの視点から治療薬を考える。

コントローラー(長期管理薬)リリーバー(発作治療薬)
抗炎症薬ステロイド吸入(1st)
ステロイド経口(重症例、短期間の間欠的投与が原則)
ステロイド全身(静注or経口)
気管支拡張薬長時間作用型β2刺激薬吸入
長時間作用型抗コリン薬吸入
短時間作用型β2刺激薬吸入(1st)
アミノフィリン静注
アドレナリン(エピネフリン)皮下注

気管支喘息の根本的な原因は、気管支の炎症であるため、長期管理薬として気道の炎症を抑えるためにステロイド吸入を行う。

重症例では、ステロイド経口を行うが、副作用のリスクが高いため、間欠的投与とする。

また、気管支拡張薬として、長時間作用型のβ2刺激薬や抗コリン薬の吸引を行うことも可能。

発作時には、まずは発作治療薬として、短時間作用型β2刺激薬を使う。1st

すぐに症状を抑えるためには、気管支拡張薬が有効だからだろう。

治まらない場合は、ステロイド点滴やアミノフィリン点滴追加。2nd

それでも治まらない場合は、アドレナリン皮下注。3rd

 

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