呼吸器内科

FIO2(酸素吸入濃度)とは?酸素マスクや経鼻カニューレでの違いは?

FIO2(酸素吸入濃度)とは?

FIO2(酸素吸入濃度)とは、患者が実際に吸っている酸素濃度のことです。

いや、投与してる酸素濃度がわかってたらいいんじゃね?
なんでわざわざ、患者が吸っている酸素濃度について考える必要あるの?

という方もいるでしょう。

しかし、酸素マスクや経鼻カニューレなどを用いると、マスクの隙間から入ってきた空気(酸素濃度21%)と一緒に、患者は酸素を吸っているんですね。

すると、実際に吸入している酸素濃度が変わってきます。

そのため、患者が実際に吸っている酸素濃度をFIO2(酸素吸入濃度)として考えていく必要があるのです。

 

 

酸素流量を増やすと吸入酸素濃度は増加する?

酸素流量を増やすと、マスクの隙間から入ってくる空気の割合が減少するので、吸入酸素濃度は増加していきます。

○鼻カニューレの吸入酸素濃度

酸素流量(L/min)吸入酸素濃度の目安(%)
124
228
332
436
540
644

○酸素マスクの吸入酸素濃度

酸素流量(L/min)吸入酸素濃度の目安(%)
5 ~ 640
6 ~ 750
7 ~ 860

 

 

高流量システムの方が低流量よりもFIO2は安定する?

酸素供給で重要な概念の一つとして、高流量システムと低流量システムがあります。

低流量システムとは、患者の1回換気量よりも流量が少ない酸素供給量のことであり、30L/minよりも少ないこと。

一方、高流量システムとは、患者の1回換気量よりも流量が多い酸素供給量のことであり、30L/minよりも多いということになります。

30L/minは、人間の1回の吸気は1秒で、500mLの空気を吸うところからきています。

これは、60秒で換算すると、30L/minになるのです。

低流量システムの場合は、吸入速度よりも供給量が少ないので、マスクの隙間から入ってくる空気も一緒に吸い込むことになるので、酸素吸入濃度は安定しません。

一方、高流量システムでは、吸入速度よりも供給量が多いので、空気が入ってくることがないため、酸素吸入濃度を安定させることができるのです。

低流量システムには、経鼻カニューレや酸素マスク、リザーバー付き酸素マスクなどが含まれます。

また、高流量システムといえば、ベンチュリーマスクですね。

 

 

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