頭部外傷
急性硬膜外血腫
出典:https://square.umin.ac.jp/neuroinf/medical/306.html
急性硬膜外血腫は主に頭部外傷により発生する。
頭蓋骨と硬膜の間にできる血腫のこと。
出血源は硬膜にある動脈ある中硬膜動脈、硬膜にある静脈である静脈洞。
出典:https://japaneseclass.jp/trends/about/%E4%B8%AD%E7%A1%AC%E8%86%9C%E5%8B%95%E8%84%88
出典:https://www.anatomy.tokyo/systematic/%E7%B3%BB%E7%B5%B110-%E9%81%8B%E5%8B%95%E5%99%A8%E7%B3%BB/%E7%B3%BB%E7%B5%B110-6-%E9%A0%AD%E9%A0%9A%E9%83%A8/%E7%B3%BB%E7%B5%B12-9-%E9%A0%AD%E9%A0%9A%E9%83%A8%E3%81%AE%E8%84%88%E7%AE%A1/%E7%A1%AC%E8%86%9C%E9%9D%99%E8%84%88%E6%B4%9E/
硬膜静脈洞とは?
出典:http://noucobi.com/neuro/neuroanatomy/S3.html硬膜が部分的に2枚に分かれて、その間に静脈が入り込んでいる部分。脳脊髄液の除去を担う。また、クモ膜が部分的に硬膜を貫いて静脈洞内へ陥入している部分があり、クモ膜顆粒という。ここで脳脊髄液が静脈へと回収される。
頭部単純X線で、中硬膜動脈や静脈洞に一致した血管溝を横切る頭蓋骨に線状骨折が見られたら疑う。
出典:https://square.umin.ac.jp/neuroinf/medical/306.html
lucid intervalと言われる意識清明期が特徴。
lucidは明快なという意味。なので、明快な間隔ということ。
頭部外傷直後は、症状なしもしくは、短時間のみの意識消失。
その後は、元気だが、数時間後に急激に意識障害が現れる。
急性硬膜下血腫
頭部外傷により出血が起こり、硬膜下に貯まる。
揺さぶられっ子症候群で見られる。
慢性硬膜下血腫
頭部の軽度な外傷が原因で、硬膜下に血腫がゆっくりと貯まるので、神経症状が徐々に出てくる。
男性の高齢者が1ヶ月前に転んだというエピソードが特徴的。
飲酒や認知症などで転んだかわからないということも多い。
びまん性軸索損傷(DAI:diffuse axonal injury)
出典:http://fnorio.com/0038Nerve_signal11/Nerve_signal11.htm
強い外力で脳に回転力が生じると、脳深部は脳表部よりも遅れて回転するので、脳がねじれる。
その結果、軸索が強く引っ張られ、断裂し、機能を失う。
急性期には意識障害。慢性期に、高次脳機能障害が見られる。
高次脳機能障害とは?
脳卒中や交通事故が原因で、言語、記憶、注意、情緒などの認知機能に障害が起こること。
脳幹
ワレンベルク症候群(延髄外側症候群)
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BB%B6%E9%AB%84%E5%A4%96%E5%81%B4%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4
延髄外側の梗塞が原因で起こる。
延髄は9〜12番の脳神経が通る。
12番の舌下神経は延髄の内側を通るので、障害されないが、9〜11番は障害される。
また、外側を通る交感神経下行路が障害されるので、ホルネル症候群をきたす。
延髄腹側を通る錐体路、深部感覚を伝える内側毛帯は障害されない。
出典:https://twitter.com/nursesenka_navi/status/658258047320616961
MLF症候群
内側縦束 (medial longitduinal fasciculus:MLF)の障害による。
健側方を注視するとき、病巣側の内転障害が起こる。
しかし、輻輳の時は内転が可能。
輻輳では、内側縦束が関与しないから可能であると考えられる。
出典:http://www011.upp.so-net.ne.jp/konkonfj8/brainstem.html
右側方を注視するとき、右の外転神経核を経由して右目の外転が行われ、左内側縦束と左動眼神経核を経由して左目のない点が行われる。
そのため、内側縦束が障害されると、健側を注視するときに、患側の内転が障害される。
読み方
健側(けんそく)
患側(かんそく)
脳血管障害
脳出血
出典:http://www.nissoken.com/jyohoshi/nk/236/sample.pdf
出典:https://ishikokkashiken.com/conjugate-deviation/
前頭眼野からの刺激により、両側の眼球が右や左を向く。
右の前頭眼野により両側の眼球は左を向き、左の前頭眼野の刺激により両側の眼球は右を向く。
通常は左右からの均衡が保たれるため、眼球は正面を向く。
しかし、どちらかが障害されると、他方が優位となり共同偏視が起こる。
例えば、左の脳に障害があると、右脳からの命令が優位となり、左共同偏視をきたす。
そのため、被殻出血では患側へ共同偏視が起こる。
小脳は、交差した後にあるので、小脳出血では健側へ共同偏視が起こる。
視床出血では、眼球は内下方へ偏位する
出典:https://www.youtube.com/watch?v=8rnMKFvTfNA
被殻出血は、患側へ共同偏視
小脳出血は、健側へ共同偏視
出典:http://iryoukankeisikaku.com/blog-entry-611.html?sp
橋出血では、正中位。両側瞳孔が著しく縮瞳するピンポイントピューピルがみられる。
出典:https://www.pinterest.jp/pin/1829656070223741/
クモ膜下出血(SAH)
くも膜と脳の間に出血が起こる状態。
およそ80%が脳動脈瘤の破裂が原因。
出典:http://www.onc.akashi.hyogo.jp/pages/sick07.html
頭部CTでダビデの星がみられる。実際は、ヒトデ型とおぼえた方がよさそう。
出典:http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/shoten/publ/kaihou11/penta.html
ちなみに、ダビデの星とは、ユダヤ教を象徴し、二つの正三角形を逆に重ねた六芒星の形。
また、3D-CTAで動脈瘤を評価する。
出典:http://www.cityhosp-kumamoto.jp/column/%E8%84%B3%E5%8D%92%E4%B8%AD/
脳圧亢進しているときの腰椎穿刺は脳ヘルニアをきたすので禁忌。
動脈瘤破裂が原因なら、治療は、再破裂による再出血予防のために、まずは降圧してから動脈瘤の根本をクリッピング。
出典:http://neurosurgery.med.u-tokai.ac.jp/edemiru/kumomakka/chiryou.html
脳動静脈奇形
出典:http://neurosur.kuhp.kyoto-u.ac.jp/patient/disease/dis04/
脳内で、動脈と静脈が毛細血管を介さずにつながり、とぐろを巻いたような塊となった血管の奇形。
妊娠初期の胎児の異常で起こる先天性の疾患。
出典:https://www.nms.ac.jp/hosp/section/neurosurgery/info/cerebral-AVMs.html
治療は、流入動脈塞栓術によりナイダスの中を固める。
内頚動脈海綿静脈洞瘻
出典:http://tsunepi.hatenablog.com/entry/2014/04/28/204920
動脈と静脈が毛細血管を介さずつながっている。
内頚動脈は、海綿静脈洞を貫通して走行しているので、瘻孔が生じると短絡ができる。
また、海綿静脈洞内の脳動脈瘤破裂によって起こることもある。
出典:http://kanpouseitai.blog87.fc2.com/blog-entry-317.html?sp
上の画像のように、海綿静脈洞を通る脳神経は、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ1、Ⅴ2、Ⅵ。
なので、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ1、Ⅴ2、Ⅵが傷害される。
治療は、海綿静脈洞塞栓術。
もやもや病
出典:http://neurosur.kuhp.kyoto-u.ac.jp/patient/disease/dis02/
出典:http://www.h.u-tokyo.ac.jp/neurosurg/gairai/moyamoya.html
左右の内頚動脈は頭の中に入った後、中大脳Aと前大脳Aに分岐する。
この分岐部を内頚動脈終末部という。
もやもや病では、この内頚動脈終末部が、左右ともに徐々に狭窄する。
それに伴い、もやもや血管といわれる側副血行路が網の目のように発達する。
治療は、頭皮の血管を使い、中大脳動脈につなぐバイパスを作ることによる血行再建術。
出典:http://neurosur.kuhp.kyoto-u.ac.jp/patient/disease/dis02/
アミロイドアンギオパチー
髄膜や脳内の血管壁にアミロイド化したタンパクの沈着が見られる。
非外傷性脳出血の主要な原因となる。
脳出血、脳梗塞、白質脳症、血管炎などの原因。
出典:https://www.ishiyaku.co.jp/magazines/ayumi/AyumiArticleDetail.aspx?BC=925806&AC=16408
髄膜とは?
脳を包み込んで保護している膜。
髄膜は3枚の膜からなり、脳に近い方から軟膜、くも膜、硬膜となっている。
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%84%E8%86%9C
一過性脳虚血発作(TIA)
手足のしびれや言語障害、運動障害などの脳卒中の症状が出現するが、短時間で消失するもの。
小さな血栓により血管が閉塞し、症状が出るが、再び血液が流れ出すことで回復する。
TIAの48時間以内に脳梗塞を起こすことが多いので、直ちに受診が必要。
動脈硬化や心疾患が存在する可能性があるので、頚動脈エコーで頚動脈の狭窄を確認。
AFなどの心疾患の検索のために、心エコーとHolter心電図。
TIAの具体例
・食事中、箸がうまく使えなくなったが、数分で回復した
・会話中、急にろれつが回らなくなったが、数分で回復した
脊髄
多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)
脳や脊髄、視神経などの中枢神経系に空間的・時間的に脱髄が多発する疾患。
脱髄が起きると情報伝達が障害されるため、症状があらわれる。
脱髄の原因は、自己免疫。
脱髄とは?
ミエリンが障害され、軸索がむき出しになること。
出典:http://www.tahatuseikoukasyo.jp/what/p01.html
視神経脊髄炎
視神経脊髄炎では、急性視神経炎に加えて、脊髄(頸髄もしくは胸髄)の脱髄が生じる。
多発性硬化症と似ているが、区別される。
多発性硬化症とは違い、白質病変はまれ。
多発性硬化症と鑑別をするために、視神経脊髄炎に特異的なアクアポリン4抗体を測定する。
ブラウンセカール症候群(脊髄半側切断症候群)
出典:http://bodyshift.net/2017/05/13/post-1104/
脊髄のある部位の半側が障害されたときに、障害部位以下で起こる。
障害部位以下の同側は、温痛覚以外(随意運動、深部感覚、血管運動)の障害。
障害部位以下の対側は、温痛覚障害。
原因は、脊髄腫瘍、多発性硬化症、血行障害、外傷など。
前脊髄動脈症候群(脊髄梗塞)
前脊髄動脈の支配領域である脊髄腹側約2/3の領域における血行障害が原因。
そのため、後索の深部感覚は保たれる。
亜急性脊髄連合変性症
ビタミンB12の欠乏が原因で、脊髄の後索と側索に変性が生じる。
悪性貧血に伴うことが多い。
治療は、ビタミンB12の投与。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
運動ニューロンだけが障害される疾患。
知覚神経や自律神経は障害されない。
原因不明。
針筋電図で、筋が神経の支配を受けなくなった状態である脱神経となるので、脱神経所見として陽性棘波や繊維自発電位がみられる。
陽性棘波
繊維自発電位
出典:http://www.als.gr.jp/_resource/staff/popup/p_03_kensa.html
ジャイアントスパイクもみられる。
このような所見は、運動ニューロンからの抑制がなくなるから生じると考えられる。
球脊髄性筋萎縮症(Kennedy-Alter-Sung症候群)
下位運動ニューロンが徐々に減少して起こる。
アンドロゲン受容体遺伝子におけるCAGくりかえし塩基配列の異常伸長が原因。
アンドロゲン受容体が働かないため、女性化がみられる。
ウェルドニッヒホフマン病
下位運動ニューロンのみが障害される。
機能性頭痛
検査をしても異常が見つからない頭痛のこと。
3つの種類がある。
・片頭痛
・緊張型頭痛
・群発頭痛
ニューロパチー
ギランバレー症候群
先行感染が原因となり自己免疫により、複数の末梢神経が障害される。
出典:https://kf-myway-inqc.net/archives/4336
髄液内にタンパク細胞解離が見られるのが特徴。
治療は、自己抗体が原因なので、血漿交換と免疫グロブリン大量投与。
自己免疫が原因なので、血漿に含まれる抗体を除去するため、血漿交換が有効か。
また、免疫グロブリン大量投与により、炎症性サイトカインやT細胞を制御して、自己免疫を調節する。
タンパク細胞解離とは?
脳脊髄液中にタンパクが増加するが、細胞の増加は認めない現象
フィッシャー症候群
免疫が関与して起こるニューロパチー。
外眼筋麻痺、運動失調、腱反射消失が三徴。
上気道感染後に発症し、1~2週間進行した後、自然経過で改善する。
抗GQ1b抗体が陽性となる。
慢性炎症性脱髄性多発神経炎(Chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy:CIDP)
末梢神経のミエリン構成成分に対する自己免疫が原因で、炎症が起こり、筋力低下や感覚障害をきたす。
2か月以上と長引いたり、前駆感染は稀である点で、ギラン・バレー症候群とは異なる。
治療は、自己免疫が原因なので、血漿交換、免疫グロブリン。
炎症があるので、ステロイドも有効。
シャルコー・マリー・トゥース病
末梢神経障害による四肢遠位部、特に下肢遠位部の筋力低下と感覚低下をきたす。
遺伝子異常が原因。
前脛骨筋力低下で下垂足となる。
治療は、下腿筋萎縮に対して短下肢装具。
出典:http://akata-gishi.weblike.jp/portfolio-view/%E7%9F%AD%E4%B8%8B%E8%82%A2%E8%A3%85%E5%85%B7%EF%BC%8F%E7%9F%AD%E4%B8%8B%E8%82%A2%E8%A3%85%E5%85%B7%E8%B6%B3%E9%96%A2%E7%AF%80%E7%94%A8%EF%BC%89%E8%B6%B3%E9%96%A2%E7%AF%80%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E8%A3%85-2/
下腿筋とは?
下腿の筋肉の総称。
前脛骨筋、下腿三頭筋など
出典:http://kanpouseitai.blog87.fc2.com/blog-entry-270.html?sp
動眼神経麻痺
原因は3つ
・糖尿病
・脳動脈瘤
・テント切痕ヘルニア・・・小脳と後頭葉との間に突出した硬膜が小脳テント。この小脳テントの内縁中央部にあるV字状の切れ込みが小脳テント切痕。テント切痕ヘルニアとは、脳の一部がテント切痕部に陥入した状態のこと。
出典:http://kanpouseitai.blog87.fc2.com/blog-entry-317.html?sp
出典:http://tsunepi.hatenablog.com/entry/2017/09/09/000000
筋ジストロフィー
筋線維の破壊と再生を繰り返しながら、筋萎縮と筋力低下が進行していく。
遺伝性疾患であり、最も頻度が高いのがデュシャンヌ型。
3つの型を覚える。
・デュシャンヌ型
・筋強直性
・肢帯型
デュシャンヌ型筋ジストロフィー
X連鎖劣性遺伝なので、男性のみに発症。最も多い。
ジストロフィン遺伝子異常が原因。
出典:http://www.osaka-orthopaedics.jp/959/964/8038.html
筋強直性筋ジストロフィー
大人で最も多い。症状は、筋強直と筋ジストロフィー(筋萎縮と筋力低下)。
常染色体優性遺伝。
針筋電図で急降下爆撃音が特徴。
肢帯型筋ジストロフィー
常染色体劣性遺伝。
下肢近位筋力低下。
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