112回医師国家試験

中耳炎の鑑別

中耳炎の鑑別

国家試験では画像で鑑別をして治療法や起因菌をきく問題が頻出。

急性中耳炎慢性中耳炎滲出性中耳炎真珠腫性中耳炎
病態上気道から耳管を通って中耳に細菌感染が起こる急性中耳炎が慢性化したもの中耳腔が陰圧となり、中耳腔に滲出液が貯留する角化した扁平上皮が中耳内で増殖し、骨を破壊し、内耳障害、顔面神経麻痺などをきたす
症状 伝音難聴
耳閉塞感
鼓膜所見
鑑別!
発赤、腫脹

出典:112F66
鼓膜穿孔、耳漏

出典:112D3
気泡
液体の貯留線
鼓膜の内陥(陰圧だから)

出典:113D30
弛緩部(上部)の陥凹
痂皮の付着

出典:112D63
先天性真珠腫
鼓膜は正常
鼓膜を透かして白色腫瘤あり


出典
起因菌肺炎球菌(50%)
インフルエンザ桿菌(40%)
黄色ブドウ球菌
緑膿菌
※慢性中耳炎は黄緑
ティンパノグラムB型(平坦化)

出典
治療鼓膜切開による排膿
抗菌薬(アモキシシリン:ペニシリン系)
耳洗浄や耳管通気による排膿
抗菌薬
原疾患の治療(アデノイド切除など)
鼓膜切開(水抜く?)
鼓膜換気チューブを挿入して留置
耳管通気
鼓室形成術
禁忌耳管通気は禁忌(上気道からの細菌の侵入を助長する)
アミノグリコシド系禁忌(内耳障害をきたすから)
   

※耳漏=耳から何かしら液体が出てくるもの

急性中耳炎は肺炎球菌やインフルエンザ菌による細菌感染により起こる。

鼓膜が炎症をきたして、発赤腫脹をきたすのが特徴。

治療は鼓膜切開による排膿や細菌感染なので抗菌薬としてアモキシシリン。

慢性中耳炎は急性中耳炎が慢性化したもの。

鼓膜穿孔をきたし、耳漏をきたすのが特徴。

起因菌は黄色ブドウ球菌。

すでに鼓膜穿孔をしているので、排膿するには耳洗浄や耳管の通気をすると考える。

また、細菌感染症なので抗菌薬も使う。

 

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