アルドステロン症の分類
アルドステロン症には原発性、二次性、偽性の3つがある。
それぞれの機序は以下の通り。
病態 | |
原発性アルドステロン症 | 副腎皮質の腺腫、癌、過形成などにより、副腎皮質が自律的にアルドステロンを産生する。 |
二次性アルドステロン症 | 腎血流量の低下などにより、レニンアンジオテンシン系が亢進し、アルドステロンが過剰に分泌される。 |
偽性アルドステロン症 | 甘草やグリチルリチンを摂取すると、代謝産物のグリチルレチン酸によりある酵素の活性が抑制され、コルチゾールが過剰となる。すると、コルチゾールがミネラルコルチコイド受容体を刺激し、アルドステロン過剰の症状をきたす。 |
アルドステロン症の鑑別
レニン | アルドステロン | |
原発性 | ↓ | ↑ |
二次性 | ↑ | ↑ |
偽性 | ↓ | ↓ |
原発性は、自律的にアルドステロンが産生されるため、アルドステロンは上昇するが、レニンは関係がない。さらに、フィードバックによりレニンは低下する。
二次性は、腎血流量低下などが原因でレニンが上昇した結果、アルドステロンが上昇する。
なので、レニン、アルドステロン共に上昇する。
偽性は、アルドステロンの受容体が刺激されて、アルドステロン症と同じ症状が出るので、アルドステロンは低い。また、レニンも上昇していないので、レニンも低い。
類似疾患との鑑別
疾患 | レニン | Ald | 血圧 | K | 病態 |
原発性Ald症 | ↓ | ↑ | ↑ | ↓ | 副腎皮質の腺腫からAldが過剰に分泌される |
偽性Ald症 | ↓ | ↓ | ↑ | ↓ | 甘草により、コルチゾールが過剰産生され、アルドステロン受容体を刺激する。 |
クッシングsx. | ↓ | ↓ | ↑ | ↓ | コルチゾールが過剰に産生され、アルドステロン受容体が刺激される。 |
続発性Ald症 | ↑ | ↑ | ↑ | ↓ | 腎血流量低下により、レニン分泌が亢進。 |
バーターsx. | ↑ | ↑ | 正常 | ↓ | ヘンレの係蹄の太い上行脚でのNaCl再吸収障害によりレニン分泌が亢進。 |
偽性バーターsx. | ↑ | ↑ | 正常 | ↓ | 下痢、嘔吐による脱水や下剤、利尿薬乱用によってNa喪失。 |
ギテルマンsx. | ↑ | ↑ | 正常 | ↓ | 遠位尿細管でのNaCl再吸収障害によりレニン分泌が亢進。 バーター+低Mg+低Ca尿が特徴。 |
リドルsx. | ↓ | ↓ | ↑ | ↓ | 集合管のNaチャネルが亢進し、Na再吸収増加、K排泄上昇。 |
腎性では、バーター、偽性バーター、ギテルマンは全て続発性の変化+血圧正常となる。
しかし、リドル症候群だけが血圧上昇を含めて、偽性アルドステロンと同じ変化となることを覚える!

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