脳梗塞にはBADという病型がある。
今回は、BADについてまとめたい。
脳梗塞BADとは?
BADとは、branch atheromatous diseaseの略語です。
直訳だと”分枝アテローム性疾患”になります。
BADは、ラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞の中間となる病態です。
穿通枝の深部の血管が閉塞するラクナ梗塞に対して、穿通枝起始部での脳梗塞が起こります。
また、高血圧が原因で起こるラクナ梗塞とは違い、主幹動脈からの穿通枝分岐部に
アテロームプラークができ、プラークが拡大、破綻して穿通枝血管を根元から閉塞することが原因になります。
BAD は主幹動脈からの穿通枝分岐部に発生したアテロームプラークが,拡大,破綻して穿通枝血管を根元から閉塞する病態
出典:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke/31/6/31_6_550/_pdf
なので、部位的にはラクナ梗塞に近く、詰まり方はアテローム血栓性脳梗塞に近いため、BADはラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞の中間となる病態であると言われていると考えられるのです。
ラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞の中間となる病態にBADと呼ばれるものがある。1989年にCaplanによって提唱された。BADとは穿通枝が主幹動脈からの近傍で閉塞することによって生じる穿通枝領域の梗塞である。穿通枝の病変であるが高血圧性の血管壊死を起こさず、アテローム硬化が原因であり長径15mm以上の梗塞を起こす。
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%B3%E6%A2%97%E5%A1%9E
BADの好発部位は?
出典:https://www.yodosha.co.jp/rnote/gazou_qa/9784758105316_1a.html
BADの好発部位は以下の3つ。
・レンズ核線条体動脈(放線冠を灌流する)
・前脈絡叢動脈(内包後脚を灌流する)
・傍正中橋動脈(橋底面を灌流する)
放線冠を灌流するレンズ核線条体動脈,内包後脚を灌流する前脈絡叢動脈,橋底面を灌流する傍正中橋動脈に好発し,錐体路の傷害により急性期に進行性運動麻痺を示し,機能予後不良となるばあいが多い.
出典:https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/054040289.pdf
BADの症状は?
症状は梗塞部位によって変わります。
前脈絡叢動脈が梗塞した場合は、以下のような症状が起こりうるとのこと。
・対側運動麻痺
・半身感覚鈍麻
・同名半盲
・麻痺側の運動失調
・不随意運動
・健忘
・意識障害
前脈絡叢動脈は比較的細いにもかかわらず臨床的に重要な領域を灌流しているため,閉塞によって多彩で重篤な症状をきたしうる.それらは,内包後脚および大脳脚の皮質脊髄路障害による対側運動麻痺(上肢優位),視床外側の障害による半身感覚鈍麻,外側膝状体および視放線の障害による同名半盲などが代表的であるが,その他麻痺側の運動失調,不随意運動,健忘,意識障害がみられることがある.
出典:https://www.yodosha.co.jp/rnote/gazou_qa/9784758105316_1a.html
発症後に症状が進行性に悪化することが多く、ラクナ梗塞よりも予後が悪い
出典:イヤーノート
BADの治療は?
BADの治療は確立されていません。
他施設において、抗凝固薬、抗血小板薬、脳保護薬の多剤併用療法が有用とする報告が散見されますが、未だ決定的な治療として確立したものはありません。今後、より有効な治療の確立が待たれるところです。
出典:http://www.hbhc.jp/files/img/department/shinkei/59Branch-atherromatousdisease.pdf
基本的には、アテローム血栓性脳梗塞に準ずると教科書では書かれています。
治療は基本的にはアテローム血栓性脳梗塞に準ずる
出典:イヤーノート
カクテル・強化抗血小板療法が有効な可能性が示唆されているとのことです。
tPA 治療は,BAD が緩徐進行の経過をとることや,投与後の再増悪がみられることがあり最適とはいえない.アルガトロバン,シロスタゾール,クロピドグレル,エダラボンの,カクテル・強化抗血小板療法が有用である可能性がある.
出典:https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/054040289.pdf
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