消化器内科

HBV(B型肝炎)マーカーの覚え方

HBVマーカーまとめ

HBV-DNA体内にウイルスが存在(感染状態)
HBs抗原体内にウイルスが存在(感染状態)
HBs抗体ワクチン投与後、過去に感染し治癒後

HBV(B型肝炎)マーカーとは?

HBVの診断には、HBs抗原IgM型HBc抗体が使われる。

HBs抗原陽性なら、現在HBVに感染していることがわかる。

また、IgM型HBc抗体は感染早期に上昇し、その後減少していく経過をたどるため、針刺しなどの感染契機があった後に測定するのが有効であると考えられる。

HBV(B型肝炎)マーカーには、B型肝炎ウイルスの抗原や、抗原に対する抗体がある。

これらのウイルスマーカーから感染や治療経過を判断することができる。

B型肝炎の抗原の種類


出典:http://www.kanen-net.info/kanennet/bkanennet/info-06

B型肝炎の抗原の種類は、HBs抗原・HBc抗原・HBe抗原の3つがあることをまず覚える。

HB○のsはsurfaceなので、表面にある蛋白。

cはcoreなので、内部にある蛋白。

eはenvelopeなので、エンベロープのこと。

エンベロープとは?


出典:https://family.saraya.com/kansen/envelope.html

脂肪・タンパク・糖タンパクからできている膜。

ウイルスが増殖して細胞から出てくるときに、細胞の成分をまとって出てきたもの。

このように覚えると抗原の種類を理解しやすい。

HBs抗原(hepatitis B surface)・・HBVの外殻を構成するタンパク。感染していることがわかる。

・HBc抗原(hepatitis B core)・・内部に存在するため、日常検査には使われていない。

・HBe抗原(hepatitis B envelope)・・HBVが増殖するときに過剰に作られるタンパク。活発に増殖しているとわかる。

B型肝炎の抗体の種類


出典:イヤーノート B型肝炎

それぞれの抗原に対して、HBs抗体・HBc抗体・HBe抗体がある。

病初期は、抗原が優位なので、抗原が検出されるが、一過性感染で終わり、治癒すると、抗体が優位となるため、抗体が検出されると考えると覚えやすい。

・HBs抗体・・過去に感染したが、治癒した場合。ワクチン接種後に陽性となる。

・HBc抗体
IgM型HBc抗体・・感染初期にあらわれるため、最近HBVに感染したことがわかる。
IgG型HBc抗体・・IgM型HBc抗体に少し遅れて現れる。

・HBe抗体・・HBVの増殖が落ち着いている状態であるとわかる。

 

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