IgA腎症と溶連菌感染後急性糸球体腎炎の違い
IgA腎症 頻出! |
溶連菌感染後急性糸球体腎炎(PSAGN) | |
病態 | 扁桃腺炎により異常なIgAが作られ、IgAが糸球体に沈着して炎症をきたす | A群β溶連菌に感染後、抗体が産生され、免疫複合体が作られ、糸球体基底膜に沈着し、補体活性化と毛細血管内に多核白血球が浸潤する。その結果、急性糸球体腎炎により、血尿やたんぱく尿をきたす |
疫学 | 慢性腎炎症候群で最多(30~40%) | |
初発症状 | 血尿 | 血尿 |
症状 | 血尿 たんぱく尿 |
血尿 たんぱく尿 高血圧 浮腫 |
好発年齢 | 小児、成人 | 小児 |
先行感染から発症までの期間 鑑別! | 上気道炎後数日で血尿 | 先行感染後2週間で血尿 |
血液検査所見 鑑別! |
IgA上昇(315mg/dl以上) | ASO上昇 |
補体 鑑別! |
正常 | 低下(CH50↓,C3↓) |
蛍光免疫染色 | メサンギウム領域にIgAがびまん性に沈着 | |
予後不良因子 | 高血圧 蛋白尿 診断時の腎機能低下(eGFR<60mL/分/1.73m2) 間質線維化 硬化 半月体病変 |
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治療 | 血圧コントロールが最重要 食事療法(蛋白、塩分制限) ACE阻害薬・ARB(1st) 腎機能が保たれ、尿蛋白がある場合: ステロイド適応あり |
対症療法で経過観察 浮腫や高血圧のある乏尿期: 塩分・水制限などの食事療法 高血圧に対して:ループ利尿薬 溶連菌の抗原を除去しリウマチ熱予防のため:ペニシリン系、マクロライド系を使うこともあるが糸球体病変の治療には影響しない |
先行感染から血尿があらわれるまでの経過時間が鑑別に重要。
IgA抗体は、消化管の粘膜で感染のない状態でも大量に作られているから数日で症状があらわれると考えられる。
一方、溶連菌感染後急性糸球体腎炎では抗体の産生までに時間がかかるため2週間と症状が出るまでに時間がかかると考えると覚えやすい。
また、IgA腎症では、名前の通りIgAが上昇する。
一方で、溶連菌感染後急性糸球体腎炎では抗ストレプトリジンO(ASO)という溶連菌に対する抗体が上昇すること鑑別に使える。
IgA腎症では、異常なIgAや炎症を抑えるために、ステロイドが有効。
腎臓の病変の進行を抑えるために、腎血流を抑えて、降圧効果があるACE阻害薬やARBが有効と考える。

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