神経内科

多発性硬化症と視神経脊髄炎の鑑別

多発性硬化症と視神経脊髄炎の違い

多発性硬化症視神経脊髄炎
病態脳、脊髄、視神経といった中枢神経に自己免疫による脱髄が起こり、時間的・空間的に神経症状をきたす
※Ⅰ嗅神経とⅡ視神経は厳密には末梢神経ではなく中枢神経なので視神経も含むと考える
脳、脊髄、視神経といった中枢神経に、自己免疫によりアクアポリン4があるアストロサイトで脱髄が起こる
症状視力低下
筋力低下
しびれ
など
 
好発性別女性女性(90%)
傷害されるものオリゴデンドロサイト
(ミエリン)
アストロサイト
アクアポリン4抗体:細胞膜に存在する膜タンパク
※抗核抗体ではない
脳脊髄液細胞数増多+:炎症の主座が脊髄優位だから反映されやすい
オリゴクローナルバンド:髄液蛋白の電気泳動でγ-グロブリン領域に幅狭く濃染した数本のバンドが出現

出典
脊髄MRI病変の長さ2椎体以下

出典
3椎体以上

出典
診断聴性脳幹反応で反応低下
視覚誘発電位で反応低下
脳・脊髄MRIのT2強調で高信号
治療(急性増悪期)ステロイドパルス療法ステロイドパルス療法
治療(再発予防)インターフェロンβ副腎皮質ステロイド
免疫抑制薬

どちらも病態は、脳、脊髄、視神経に自己免疫による脱髄が起こる。

中枢神経に脱髄が起こるので様々な神経症状をきたす。

ギランバレー症候群も自己免疫による脱髄が起こるが、起こる場所が末梢神経であるという違いがあるので注意する。

視神経脊髄炎ではアクアポリン4抗体が見られるのが特徴。

どちらも脊髄に病変があるが、視神経脊髄炎は脊髄炎というだけあって、病変が3椎体以上と長いと考える。

治療はどちらも急性増悪期はステロイドパルス。

再発予防は、多発性硬化症はインターフェロンβだが、視神経脊髄炎はステロイドの維持量投与。

 

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