神経内科

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態、症状、診断、治療

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態

運動ニューロンだけが障害される疾患。

知覚神経や自律神経は障害されないので、感覚障害や膀胱直腸障害が見られないのが特徴。

上位運動ニューロンと下位運動ニューロンがどちらも障害されるのが特徴。

原因は不明。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の症状

下位運動ニューロン障害:筋力低下、線維束性収縮、筋萎縮、呼吸筋麻痺

上位運動ニューロン障害:錐体路障害、バビンスキ反射+

球麻痺(延髄の運動核変性による):構音障害、嚥下障害、舌萎縮

四大陰性所見:感覚障害、眼球運動障害、褥瘡、膀胱直腸障害

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の診断

筋は神経の支配を受けなくなった状態である脱神経となるので、筋電図で脱神経所見として、陽性棘波や繊維自発電位が見られる。

波の名前から画像がイメージできるようにする。

陽性棘波は、名前の通り陽性の棘のような波。

陽性棘波


繊維自発電位


線維自発電位は、名前の通り安静時に自発的に筋が収縮することで単発の陽性の波が見られると考えれば、どういう波かを想像できるはず。

ジャイアントスパイク


出典:http://www.als.gr.jp/_resource/staff/popup/p_03_kensa.html

ジャイアントスパイクも名前から大きな波と想像できる。

このような所見は、上位運動ニューロンからの抑制がなくなるから生じると考えられる。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療

根治療法なし

リハビリ:

嚥下訓練(嚥下障害に対して)

関節可動域訓練(筋力低下による廃用症候群予防のためと考える)

 

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