パーキンソン病まとめ
病態 | 中脳黒質の神経細胞の変性によりドパミン産生が低下する |
4大症状 | 無動、筋固縮、安静時振戦、姿勢反射障害 |
自律神経症状 | 慢性便秘、起立性低血圧 |
精神症状 | 抑うつ 認知機能低下 |
錐体外路症状 | 歩行異常:小刻み歩行、すくみ足、進行すると加速歩行 仮面様顔貌 |
前駆症状 | REM睡眠行動障害 嗅覚低下 |
診断 | ドパミントランスポーター:集積低下 MIBG心筋シンチ:集積低下 |
治療(薬物療法) | レボドパ ドパミンアゴニスト MAO-B阻害薬 COMT阻害薬 抗コリン薬:線条体でACh活性抑制によりドパミン作用を優位にする |
薬物治療でコントロール困難 | 脳深部刺激療法(DBS) |
合併症 | 悪性症候群:抗Parkinson病薬の急激な中断、感染、脱水による |
パーキンソン病の病態
出典:http://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/000323.html
αシヌクレインというタンパク質が、ドパミンを産生している中脳黒質の神経細胞に蓄積し、変性することで、ドパミンが産生低下し、ドーパミンが不足する。
ドパミンは体の動きや調節に関与するので、スムーズに体を動かせなくなる。
パーキンソン病の症状
4大症状:無動、筋固縮、安静時振戦、姿勢反射障害
歩行異常:小刻み歩行、すくみ足、進行すると加速歩行
仮面様顔貌
自律神経症状:便秘、排尿障害など
ドーパミンの不足により、体をスムーズに動かすことができなくなるので、無動や筋固縮が見られると考える。
また、運動の調節も障害されるので、安静時振戦や姿勢反射障害が起こると考える。
パーキンソン病の診断
出典:111A45
パーキンソン病ではドーパミントランスポーターSPECTで左右差のある取り込み低下が見られる。
上の写真では、左優位にドーパミントランスポーターSPECTが低下している。
なので、症状にも左右差があらわれる。
パーキンソン病の治療
出典:https://kusuri-jouhou.com/medi/parkinson/entacapone.html
治療薬 | 作用機序 |
Lドパ(レボドパ) | ドパミンの前駆物質で、血液脳関門を通過できる |
ドパミンアゴニスト | |
ドパ脱炭酸酵素阻害薬(カルビドパ) | Lドパはドーパ脱炭酸酵素によって代謝され、ドーパミンとなる。末梢でLドパが代謝されるのを防ぎ、レボドパの脳内への移行を高める。 |
COMT阻害薬(エンタカポン) | 末梢で、レボドパをドパミン以外の物質に代謝する酵素を阻害して脳内への移行を高める。 |
MAO-B阻害薬(セレギリン) | 脳内のドーパミンを分解する酵素MAO-Bを阻害し、ドーパミンの分解を抑制することで脳内のドーパミン量を増加させる。 |
ドーパミンの不足が原因なので、脳内のドーパミンを増やせば良い。
しかし、ドーパミンは血液脳関門を通過できないので、ドーパミンの前駆体であり血液脳関門を通過できるレボドパを使用する。
レボドパは中枢に入る前に末梢でドーパミンに変化するのを防ぐために、ドパ脱炭酸酵素阻害薬やCOMT阻害薬を用いる。
さらに、脳内でのドーパミンの分解を阻害するMAO-B阻害薬も用いる。

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