内分泌代謝内科

尿崩症(特に尿崩症と心因性多飲症)の鑑別と治療

尿崩症の鑑別

中枢性尿崩症 腎性尿崩症 心因性多飲症
病態 バソプレシンの分泌低下 腎集合管でのバソプレシンの感受性低下 口渇感の異常な亢進により水を過剰摂取する
症状 多飲
多尿
多飲
多尿
多飲
多尿
夜間尿は少ない
原因 頭蓋咽頭腫
胚細胞腫
リンパ球性漏斗下垂体後葉炎
など
遺伝性:AVPV2受容体遺伝子異常
続発性:
低K血症
高Ca血症
リチウム(薬剤)
尿細管障害
精神疾患など
尿比重 1.007以下 1.007以下 1.007以下
水制限試験 濃縮されない:
尿浸透圧<血漿浸透圧
濃縮されない:
尿浸透圧<血漿浸透圧
濃縮される:
尿浸透圧>血漿浸透圧
デスモプレシン負荷試験 尿が濃くなる 尿が濃くならない
治療 デスモプレシンの点鼻・内服 有効な治療法なし:
サイアザイド系利尿薬(部分的に有効だが先天性や重症礼には効果なし)
続発性:原疾患の治療
飲水制限
心理療法
考え方 足りてないから補充すr

多尿の定義

多尿の定義:1日の尿量が3Lを超える

多尿の鑑別

まずは尿比重から水利尿と浸透圧利尿に分類する。

水利尿 尿比重1.007以下
浸透圧利尿 尿比重1.025以上

水利尿:水そのものが多いもの

浸透圧利尿:溶質が多いもの

水利尿をきたす疾患 尿崩症
心因性多飲症
浸透圧利尿をきたす疾患 糖尿病
腎不全

次に、尿比重 1.007以下なら、中枢性尿崩症と腎性尿崩症、心因性多飲症が鑑別疾患となる。

これらの鑑別には、水制限試験とデスモプレシン負荷試験により行う。


出典:https://www.m3.com/clinical/kenshuusaizensen/519852

まず水制限試験を行う。

水を制限した時の尿の濃縮能をみる。

水制限により尿が濃くなる。つまり、尿の浸透圧を血漿の浸透圧と比較し、尿浸透圧>血漿浸透圧なら正常もしくは心因性多飲症。

逆に、尿が薄いまま、つまり尿浸透圧<血漿浸透圧なら尿崩症と考える。

水制限試験で

尿浸透圧>血漿浸透圧・・・正常もしくは心因性多飲症

尿浸透圧<血漿浸透圧・・・尿崩症

さらに、バソプレシン製剤であるデスモプレシンを負荷する試験を行う。

デスモプレシンに反応して、尿が濃くなるなら、バソプレシンの分泌低下が原因と考えられるので、中枢性尿崩症。

反応せず、尿が薄いままなら、腎性尿崩症。

多尿をきたす疾患の治療

多尿をきたす疾患 治療
心因性多飲症 飲水制限、心理療法
中枢性尿崩症 デスモプレシンの点鼻・内服
腎性尿崩症 遺伝性:サイアザイド系利尿薬、NSAIDs
続発性:原疾患の治療

心因性多飲症は水を多飲するのが原因なので、飲水制限が有効。

また、心因性なので、心理療法も有効。

中枢性尿崩症はバソプレシンの不足が原因なので、デスモプレシンの点鼻・内服が有効。

 

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