WHOの三段階除痛ラダーとは?
WHOの三段階除痛ラダーは、がんによる疼痛で鎮痛薬の選択のために使われます。
ポイントは、2つあり、「鎮痛薬使用の5原則」と「三段階除痛ラダー」です。
まず、鎮痛薬使用の5原則は以下のようになります。
鎮痛薬使用の5原則
● 経口的に
(by mouth)
● 時刻を決めて規則正しく
(by the clock)
● 除痛ラダーにそって効力の順に
(by the ladder)
● 患者ごとの個別的な量で
(for the individual)
● その上で細かい配慮を
(with attention to detail)
以下、考察。
経口摂取は侵襲が少ないので優先されると考える。
また、規則正しく投与することで、痛みが生じる時間がないようにすることができると考える。
オピオイドは副作用もあるので、弱い薬から使う、また患者ごとに量を調節して副作用をできるだけ少なくすると考える。
経口摂取ができないときは静注というように細かい配慮をすると考える。
このように考えれば、原則を理解しやすいと思う。
「除痛ラダーにそって効力の順に」とありますが、あまりにも痛みが強い場合には、1段階目から一気に3段階目といったように、段階を飛ばして鎮痛薬を選択してもいいです。
目の前で激しい痛みで苦しんでいる患者に対して、わざわざ段階を踏んで、薬を使用していくというのは普通に考えておかしいと考えられるので、納得いきやすいと思います。
薬剤群と代表薬は以下の通り。
下の表は覚える。
段階 | 薬剤群 | 薬 |
鎮痛補助薬 | 抗うつ薬 抗けいれん薬 NMDA受容体拮抗薬 | |
1段階 | 非オピオイド鎮痛薬 | NSAIDs アセトアミノフェン |
2段階 | 弱オピオイド | コデイン |
3段階 | 強オピオイド | モルヒネ フェンタニル オキシコドン |
最終段階 | オピオイドローテーション | 強オピオイドでも疼痛緩和ができない場合、種類を変更する |
鎮痛補助薬はどの段階でも必要に応じて使って良い。
細かく書くと以下のようになる。
薬剤群 | 代表薬 | 代替薬 |
鎮痛補助薬 | 抗うつ薬、抗けいれん薬、NMDA受容体拮抗薬など | |
非オピオイド鎮痛薬 | アスピリン(NSAIDs) イブプロフェン(NSAIDs) インドメタシン(NSAIDs) アセトアミノフェン(解熱鎮痛薬) | ナプロキセン ジクロフェナク |
弱オピオイド(軽度から中等度の強さの痛みに用いる) | コデイン | ジヒドロコデイン アヘン末 |
強オピオイド(中等度から高度の強さの痛みに用いる) | モルヒネ | オキシコドン フェンタニル |
例題
113E39
66歳の男性。5年前から前立腺癌で治療中である。半年前に腰椎と右肋骨に転移が確認され、最近、腰痛を自覚するようになった。疼痛以外の自覚症状はない。
疼痛緩和のために、まず投与すべきなのはどれか。
a コデイン
b モルヒネ
c フェンタニル
d オキシコドン
e アセトアミノフェン
答え:e
まずは、作用の弱い非オピオイド鎮痛薬から使う。
効果がなければ、より効力の強いものに切り替える。
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