症例対照研究とコホート研究の違い
症例対照研究 | コホート研究 | |
どうやって行う? | 過去にさかのぼって喫煙・飲酒などの要因となり得るものの情報を症例群と対照群それぞれについて集める。 | ある要因に曝露した集団と曝露していない集団を一定期間追跡し、疾病の発生率を比較する。 |
具体例 | 40~59歳の男性3万人を対象に肺癌死亡について10年間観察 | |
集める情報 | 症例群と対照群それぞれで喫煙・飲酒といった要因となるものの情報 | 曝露群と非曝露群の情報 |
時間の方向性 | 後ろ向き | 前向き |
想起バイアスの影響 | 受ける | 受けない |
罹患率の推計は可能か | できない | できる |
オッズ比(ある事象の起こりやすさを2つの群で比較したもの)は計算できる? | できる | |
研究の種類 | 観察研究 | 観察研究 |
交絡因子の補正可能? | できる:多変量回帰分析が有効。性・年齢については症例群と対照群でできるだけ揃えるなど | |
寄与危険度の計算 | できない:症例群、対照群ともに母集団を代表していないから ※病因の暴露により罹患者が何人増えるかを調べることができない |
できる: 暴露群ー非暴露群の計算が可能 |
症例対照研究:過去にさかのぼって喫煙・飲酒などの要因となり得るものの情報を症例群と対照群それぞれについて集める。
疾患にかかった患者群を対象に要因を調査する研究。
対照として疾患にかかっていない集団についても同様に、特定の要因への曝露状況を調査。
2集団を比較することで、要因と疾病の関係性を評価する。
コホート研究:特定の要因に曝露した集団と曝露していない集団を一定期間追跡。
疾病の発生率を比較することで、要因と疾病の関係性を調べるというもの。
症例対照研究は、後ろ向きに行うので想起バイアスがあるし、罹患率推計はできない。
コホート研究は、前向きに行うので、想起バイアスは関係ないし、罹患率の推計はできる。
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