112回医師国家試験

白血病の鑑別

白血病の違い

急性リンパ性白血病ALL
頻出!
慢性リンパ性白血病CLL 急性骨髄性白血病AML 慢性骨髄性白血病CML 急性前骨髄性白血病APL
病態 未分化なリンパ芽球が増殖する 成熟B細胞が増殖する。 幼若な骨髄系細胞が増殖する 9、22番目の染色体転座によりできたフィラデルフィア染色体がチロシンキナーゼを作ることで、白血病細胞が増加する。 AMLのうち、t(15;17)という特殊な染色体転座を持つもので、前骨髄球が増加。
症状 貧血
出血傾向
発熱
リンパ節腫脹
中枢神経症状(頭痛、嘔吐、精神症状)
ときに貧血、出血傾向 貧血
出血傾向
発熱
出血傾向
合併症 中枢神経浸潤 日和見感染症
自己免疫疾患
MDSから進行する DIC
好発 2〜5歳と高齢者に二峰性のピーク
小児悪性腫瘍で最多
高齢者に多い
増殖する細胞 未分化なリンパ芽球 成熟B細胞 幼若な骨髄系細胞 前骨髄球
ミエロペルオキシダーゼ染色 +   +
染色体転座 t(9;22) t(15;17)
細胞表面抗原検査 B-ALL:
CD10,19,20
T-ALL:
CD2,3,5,7
CD5、19、20、23陽性:B細胞由来なのになぜかT細胞のマーカー(CD5)が陽性になる  -:リンパ系ではないのでやらない?  –  –
検査 血小板減少 液性免疫↓
細胞性免疫↓
リンパ球増加
NAPスコア低下
ビタミンB12↑:増加している白血球に由来するビタミンB12 結合蛋白増加のため
骨髄血塗抹
画像
芽球の増殖
出典:113D54

出典:112A60
芽球の増殖
白血病裂孔あり
様々な成熟段階の好中球の増加

出典:113D48
ファゴット細胞
アウエル小体

出典:107I13

出典:112A16
※見つけにくいこともあるが細胞1つずつ見ていく
治療 Ph染色体陽性ALL:
イマチニブ(チロシンキナーゼ阻害薬)+多剤併用化学療法
Ph染色体陰性ALL:
寛解導入:

ビンクリスチンアドリアマイシン+プレドニゾロン
(VAP)

中枢神経浸潤予防:
頭蓋照射+メトトレキサート髄注
無症状:
経過観察
全身症状などある場合:
化学療法
多剤併用化学療法(アントラサイクリン系+シタラビン) イマチニブ(チロシンキナーゼ阻害薬) オールトランス型レチノイン酸(ATRA):APL細胞を分化誘導できる
再発例:
亜ヒ酸(80~90%が再寛解)

白血病の鑑別する場合は、まず

急性リンパ性白血病
慢性リンパ性白血病
急性骨髄性白血病
慢性骨髄性白血病

の5つを考える。

ちなみに、APLはAMLの中の一つの分類である。

ALLがめちゃくちゃ出るので、細かく覚える。

急性リンパ性白血病なので、幼若なリンパ球が増殖する。

急性の症状として、白血球増加とそれによる骨髄抑制によって、血小板低下による出血傾向や発熱などが見られる。

後、リンパ節腫脹が見られるのと、中枢神経に浸潤しやすいのが特徴。

リンパ性なので、ミエロペルオキシダーゼが陰性になる。

治療は、フィラデルフィア染色体陽性と陰性で分ける。

陽性例では、イマチニブ。さらに多剤併用化学療法。

陰性例では、プレドニゾロン、アドリアマイシン、ビンクリスチンの多剤併用化学療法。

中枢神経に浸潤しやすいので、頭蓋への放射線照射とメトトレキサート髄注を行う。

慢性リンパ性白血病は、成熟B細胞が増加する。

慢性経過なので、急性のものほど症状はないと考える。

特徴は、CD5,19,20,23が陽性になること。B細胞由来の腫瘍なのに、T細胞由来のマーカーであるCD5が陽性になるのが特徴。

治療は無症状なら経過観察。全身症状などがあれば、化学療法。

AMLは幼若な骨髄球が増加する。

ミエロペルオキシダーゼ染色が陽性になる。白血病裂孔が陽性になる。

治療はアントラサイクリン系とシタラビンで多剤併用化学療法。

CMLは9と22の転座によりフィラデルフィア染色体ができてチロシンキナーゼにより骨髄系細胞が増殖する。

治療は、イマチニブで原因となるチロシンキナーゼを阻害する。

APLはアウエル小体が束になったファゴットがあるファゴット細胞が見られるのが特徴。

15と17の転座が特徴的でAMLの一つだが区別される。

治療は、オールトランスレチノイン酸で分化を誘導することで異常な白血病細胞が正常に分化し、寿命を迎えてアポトーシスをきたす。

 

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