外科

潰瘍性大腸炎とクローン病の鑑別

潰瘍性大腸炎とクローン病の鑑別

クローン病は潰瘍性大腸炎の鑑別が重要。

潰瘍性大腸炎クローン病
病態大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる炎症性疾患。病変が直腸から連続的に、口側へと上行性に広がるのが特徴。口腔から肛門にいたる全ての消化管に炎症や潰瘍が飛び飛びに起こる。好発部位は小腸と大腸。非連続性であるのが特徴。
症状 腹痛
下痢
粘血便
発熱
腹痛
下痢
体重減少
炎症範囲大腸口から肛門までの全消化管。
小腸と大腸、特に小腸末端部が好発。
好発部位小腸末端部
炎症の部位粘膜全層
好発年齢20-30代10-20代
所見びらん
潰瘍
血管透見像の消失
敷石像
縦走潰瘍
小腸狭窄
病変の連続性連続性非連続性
大腸癌の合併あり少ない
内視鏡血管透見像の消失:粘膜浮腫による

出典

出典

出典
注腸造影鉛管像(ハウストラの消失)

出典:100I28
病理所見陰窩膿瘍

出典:108I22
杯細胞の減少

出典:110A59

※これは正常
炎症細胞浸潤
治療5-ASA(メサラジン)
効果不十分:ステロイド
ステロイド抵抗例:
抗TNF-α抗体
5-ASA(メサラジン)
ステロイド
抗TNF-α抗体
+栄養療法
合併症結節性紅斑
中毒性巨大結腸症
壊疽性膿皮症
痔瘻
結節性紅斑

潰瘍性大腸炎は、直腸から上行性に粘膜のびらんや潰瘍が広がっていく。

粘膜のみの炎症なので、所見は、びらん、潰瘍のみとしょぼいと覚える。

一方、クローン病は、全ての消化管で、全層性の炎症が飛び飛びに起こる。

敷石像や縦走潰瘍が特徴的。

全層に炎症をきたすので、目立った所見が見られると考えればよいか。

どちらも炎症性疾患なので、大腸癌などの悪性腫瘍の合併が通常よりは高い。

しかし、国試的には潰瘍性大腸炎では大腸がんの合併が多いのに対して、クローン病では少ないと覚える。


出典:http://www.myclinic.ne.jp/imobile/contents/medicalinfo/top_naika/suzuken_naika_98/mdcl_info.html

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