内科の薬

ブスコパンの禁忌、作用機序、効果、副作用は?

ブスコパンとは?

ブスコパンの一般名はブチルスコポラミンです。

注射薬は日本で1956年に発売されている昔からある薬になります。

ブスコパンは、鎮痙剤、つまり平滑筋のけいれんを抑制する薬剤として使われています。

アセチルコリンを阻害するため、抗コリン薬とも言われます。

ブスコパンの作用機序

アセチルコリンの受容体への結合を阻害することで、副交感神経を抑制する。

その結果、副交感神経の興奮で起こる平滑筋の過剰な収縮が抑制される。

ブスコパンの禁忌

出血性大腸炎:下痢が抑制されるから

閉塞隅角緑内障:副交感神経抑制により、交感神経が亢進し散瞳するため

前立腺肥大症による排尿障害:排尿筋が弛緩するからか

重篤な心疾患:交感神経の亢進により、心拍数が上昇し、心臓に負担がかかる

麻痺性イレウス:症状が増悪する

ちなみに、喘息は関係ないと思われる。国家試験では間違い選択肢として登場する。

ブスコパンの効果

下記疾患における痙攣並びに運動機能亢進

胃・十二指腸潰瘍、食道痙攣、幽門痙攣、胃炎、腸炎、腸疝痛、痙攣性便秘、機能性下痢、胆のう・胆管炎、胆石症、胆 道ジスキネジー、胃・胆のう切除後の後遺症、尿路結石症、 膀胱炎、器具挿入による尿道・膀胱痙攣、月経困難症、分娩 時の子宮下部痙攣

消化管のX線及び内視鏡検査の前処置

上部消化管検査の前処置に使われる。

消化管の動きを抑えることで観察しやすくなるから。

ちなみに、ブスコパンが使えない時にはグルカゴンが使われる。

この理由は、グルカゴンには直接平滑筋を弛緩させる作用があるから。

また、消化管痙攣による疼痛や下痢などの症状にも用いられる。

ブスコパンの主な副作用

主な副作用は口渇106件(6.04%)、眼の調節障害52件(2.96%)、心悸亢進21件(1.20%)、顔面紅潮19件(1.08%)、めまい13件(0.74%)等。

口渇は抗コリン作用による唾液分泌の低下が原因。

心悸亢進は心拍数上昇が原因。

 

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