呼吸器内科

肺塞栓症(肺血栓塞栓症)の病態、症状、原因、診断、治療

肺血栓塞栓症の病態

静脈で作られた血栓が血流にのって、肺動脈につまり、低酸素血症をきたした病態。

肺血栓塞栓症の症状

突然の呼吸困難、胸痛、頻呼吸

酸素不足により交感神経が亢進することで頻呼吸となる

肺血栓塞栓症の原因

長期臥床、手術後の安静が終わり歩行した時、長時間のフライト後

主に3つの原因が存在する。

血流停滞長期臥床、長時間の同一姿勢、肥満、妊娠など
血管内皮障害手術、中心静脈カテーテル、外傷、抗リン脂質抗体症候群など
血管凝固能亢進脱水、悪性腫瘍、薬物(経口避妊薬など)

肺血栓塞栓症の診断

聴診:ⅡP亢進

血液検査:FDP↑、D-ダイマー↑(感度が高く除外診断に有用)

心エコー:右室拡大など(右心負荷所見)

血液ガス:PaO2↓、PaCO2↓、pH↑(呼吸性アルカローシス)、A-aDO2開大

胸部造影CT:肺動脈内に血栓(造影の欠損が見られる)

ヨード造影剤が使用できない場合:

肺シンチグラフィ:換気と血流ミスマッチ


出典:http://www.hosp.ncgm.go.jp/s037/130/040/scinti_04.html

肺血栓塞栓症の治療

呼吸循環動態の安定化、O2投与、抗凝固療法

抗凝固療法:ヘパリン使用(即効性があるから)

血栓溶解療法:t-PA使用(禁忌がなければ適応あり)

血栓溶解療法で改善ない場合:手術を考慮

肺動脈が詰まるので、呼吸や循環が崩れやすいので、まずは呼吸循環動態の安定化と考える。

低酸素血症があるので、O2投与。

血栓が原因なので、抗凝固療法を行う。

即効性があるヘパリンを使用し、禁忌がなければt-PAを使用可能。

血栓溶解療法で改善ない場合は、手術を考慮する。

 

バイタルサインの安定化が第一選択

ショックならドパミンなど。

1まずO2投与(低酸素血症を改善)

2次に抗凝固療法(ヘパリン)

3必要に応じて、血栓溶解療法(t-PAなど)

4内科的治療が無効の場合:肺動脈血栓摘除術

5再発予防:抗凝固薬(ワルファリン)、下大静脈フィルター留置


出典:https://www.hospital.kasugai.aichi.jp/s_annai/ivr/ivr05.html

 

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