循環器内科

房室ブロックの病態、原因、診断、治療

房室ブロックの病態

心房から心室への興奮が伝わりにくくなったり、完全に伝わらなくなる。

房室ブロックの原因

右冠動脈閉塞の心筋梗塞

心サルコイドーシス

薬剤(Ⅰ群・Ⅲ群抗不整脈薬、ジギタリス製剤、Ca遮断薬、β遮断薬)

高カリウム血症

右冠動脈は房室結節を養っているので、閉塞すると房室ブロックとなる。

房室ブロックの分類


出典:https://nurseful.jp/nursefulshikkanbetsu/cardiology/section_1_04_01/

心電図で分類する

分類特徴
1度房室ブロックPQ間隔0.2秒以上に延長
2度房室ブロックのモビッツⅠ型(ウェンケバッハ型)PQ間隔が次第に延長してQRSが抜け落ちる
2度房室ブロックのモビッツⅡ型PQ間隔が延長せずに突然QRSが抜け落ちる
完全房室ブロックPP間隔一定、QQ間隔一定、P波とQ波がバラバラにでる、徐脈化
※3:1などで一定のリズムではない

また、心房と心室の伝導の比により分類もできる。

1度は心房からの信号が心室へ少し伝わりづらくなり、伝導が遅くなっている。

2度は伝わったり伝わらなかったりする。

完全は一切つたわらなくなり、心室の収縮は自動能により行われる。

分類特徴
2:1房室ブロック心房と心室の伝導比が2:1
高度房室ブロック心房と心室の伝導比が3:1以上

 

房室ブロックの治療

分類治療
1度経過観察(無治療で)
2度房室ブロック
モビッツⅠ型(ウェンケバッハ型)
2度房室ブロック
モビッツⅡ型
薬剤や心筋梗塞が原因:原因を除去し経過観察
ペースメーカー埋め込みまでのつなぎの治療:
アトロピン、イソプロテレノール(β刺激薬)
原因がなく症状が続く時:恒久的ペースメーカー埋め込み
完全房室ブロック

ペースメーカー埋め込みまでのつなぎの治療:アトロピン、イソプロテレノール(β刺激薬)

2度房室ブロックモビッツⅠ型までは経過観察でOK。

それ以上の場合、原因があれば除去。

原因がない、症状が続くなら、ペースメーカー埋め込み。

ペースメーカー埋め込みまでの徐脈に対する治療は、アトロピンやβ刺激薬。

 

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