感染症内科

菌血症、敗血症、敗血症性ショックの違い

菌血症、敗血症、敗血症性ショックの違い

菌血症 敗血症 敗血症性ショック
定義 血液中に細菌がいる状態 感染症によって全身性の炎症反応が起こり、臓器障害をきたした状態 敗血症でショック(循環不全)を呈したもの
診断基準 血液培養陽性 ICU患者:感染症が疑われSOFAスコアが2点以上増加

一般患者(院外,ER,一般病棟):qSOFAスコアで2点以上(3点満点)

qSOFA:
R 呼吸数22/min以上
G GCS15未満
B sBP100以下

十分な輸液負荷を行った後でも 平均血圧65mmHg以上を維持するために血管収縮薬を必要とする状態
血清乳酸値≧2mmol/L(18mg/dL)の状態
以上の2点を満たす
血液培養陽性率 100% 20〜40% 40〜70%

菌血症と敗血症の違いが曖昧な人が多いのでまとめた。

菌血症と敗血症は別物であることを理解し、菌血症、敗血症、敗血症性ショックの定義をしっかり覚えることが重要だと思われる。

菌血症とは、血液中に細菌がいる状態のこと。血液培養が陽性となることで証明される。

一方、敗血症とは、感染症によって全身性の炎症反応が起こり、臓器障害をきたした状態。

現在の敗血症の定義では菌血症合併の有無は問わない。

ゆえに、血液培養が陰性となる敗血症もあることに注意する。

ただし、敗血症は感染症によって起こるので、抗菌薬で治療が必要になる。

また、感染症では菌血症を合併することがあり、菌血症がある場合、抗菌薬の治療期間が長くなるので、敗血症を疑った場合には、血流感染の有無を調べるために血液培養を取ることになると考える。

ちなみに、血液培養の陽性率はsepsisで20〜40%、septic shockで40〜70%と高率なので敗血症疑いならとるべきだと思われる。

血液培養を取るべき基準は?

肺炎や尿路感染と診断できても、次は血流感染を疑って血液培養を取るかどうかの判断が必要になる。

一体どんな場合に血流感染を疑い血液培養を取るべきなのか?

まず菌血症を疑った場合は当然取るべきである。

臨床症状としては、悪寒戦慄が特異度が高いのは有名。

そのほか、原因不明のショック、意識障害、低血糖なども菌血症の可能性があるとのこと。

後は、血液培養予測ルールで、大項目1つ、あるいは小項目2つ以上該当すれば血液培養採取を行うと基準が明確で判断しやすい。


出典

さらに、敗血症を疑った場合、つまりqSOFA2点以上の場合も血液培養の陽性率が高いので取るべきだろう。

まとめると、悪寒戦慄や、原因不明のショック、意識障害、低血糖がある、もしくは、菌血症予測ルールで大項目1つ以上、小項目2つ以上満たす場合に血液培養を取る。

また、qSOFA2点以上で敗血症を疑う場合にも血液培養を取る。

敗血症の診断基準

ICU患者とそれ以外(院外,ER,一般病棟)で区別する

ICU患者:感染症が疑われSOFAスコアが2点以上増加

一般患者:qSOFAスコアで2点以上(3点満点)

敗血症性ショックの診断基準

敗血症性ショックの定義は、以下の2点を満たす必要がある。

・十分な輸液負荷を行った後でも 平均血圧65mmHg以上を維持するために血管収縮薬を必要とする状態

・血清乳酸値≧2mmol/L(18mg/dL)の状態

乳酸は、酸素供給が不十分な条件下で組織が産生するグルコースの代謝産物。

なので、ショックや血流低下などにより循環不全をきたす患者で上昇する。

 

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