利尿薬の電解質変化まとめ
ループ利尿薬 | サイアザイド利尿薬 | K保持性利尿薬 | 炭酸脱水酵素阻害薬 | バソプレシンV2受容体拮抗薬 | |
機序 | Na-K-2Cl共輸送体を阻害し、Naの再吸収を抑制する。しかし、Naが高濃度で集合管にたどり着くため、Na-K交換系が働き、Naの再吸収、Kの排泄が促進され、低Kとなる。 | Na-Cl共輸送体を阻害し、Naの再吸収を抑制。Naが高濃度で集合管にたどり着くため、Na-K交換系が働き、Naの再吸収、Kの排泄が促進され、低Kとなる。 | アルドステロン受容体に結合し、アルドステロンの作用を阻害。K排泄が低下するため、Kは保持。 | 重炭酸イオンの再吸収を抑制し、NaHCO3が尿に排泄されることで利尿作用をきたす。 | Naを保持する |
血中K | ↓ | ↓ | → | ||
血中Na | ↓ | ↓ | ↓:アルドステロンの作用阻害によりNa吸収↓による | ↑になりやすい | |
血中Ca | – | ↑(Ca2+の再吸収を促進する作用があるから) | |||
副作用 | 低Na 低K 高尿酸血症 |
低Na 低K 高Ca 高尿酸血症 高血糖:カリウム低下による膵β細胞からのインスリン分泌低下による |
低Na 高K |
高Na |
利尿薬の種類
出典:https://www.phamnote.com/2017/02/blog-post_22.html
主な利尿薬は以下の6種類である。まずは、この6種類を覚える。
・ループ利尿薬
・サイアザイド(チアジド)系利尿薬
・K保持性利尿薬(抗アルドステロン薬)
・バソプレシンV2受容体拮抗薬
・炭酸脱水酵素阻害薬
・浸透圧性利尿薬
利尿薬の種類ごとに代表的な薬の例をまとめる。要暗記。
利尿薬の種類 | 代表的な薬の例 |
ループ利尿薬 | フロセミド |
サイアザイド(チアジド)系利尿薬 | サイアザイド(チアジド) |
K保持性利尿薬(抗アルドステロン薬) | スピロノラクトン |
バソプレシンV2受容体拮抗薬 | トルバプタン |
炭酸脱水酵素阻害薬 | アセタゾラミド |
浸透圧性利尿薬 | マンニトール、グリセリン |
それぞれの作用機序をまとめる。
利尿薬の作用機序
利尿薬 | 作用機序 |
ループ利尿薬 | Na-K-2Cl共輸送体を阻害し、Naの再吸収を抑制する。しかし、Naが高濃度で集合管にたどり着くため、Na-K交換系が働き、Naの再吸収、Kの排泄が促進され、低Kとなる。 |
サイアザイド利尿薬 | Na-Cl共輸送体を阻害し、Naの再吸収を抑制。Naが高濃度で集合管にたどり着くため、Na-K交換系が働き、Naの再吸収、Kの排泄が促進され、低Kとなる。 |
K保持性利尿薬 | アルドステロン受容体に結合することで、アルドステロンの作用を阻害する。そのため、K排泄は低下するため、Kは保持される。 |
炭酸脱水酵素阻害薬 | 重炭酸イオンの再吸収を抑制し、NaHCO3が尿に排泄されることで利尿作用をきたす。 |
浸透圧性利尿薬
出典:http://blog.livedoor.jp/akisakuhana-cavalieco/archives/50693272.html
グリセリンで血中浸透圧を高めることで、脳実質から血管内に水を引く。
浸透圧性利尿薬は、尿細管でほとんど再吸収されない。
そのため、尿細管内の浸透圧が高くなり、Naや水の再吸収は抑制されるため、利用効果がでる。
頭蓋内圧亢進、頭蓋内浮腫の改善に有効。
利尿薬の使い分け
血圧降下薬として利尿薬が使われるときは、サイアザイド系利尿薬が使われることが多い。
eGFRが30以上ではサイアザイド系を用いる。
eGFRが30未満の場合は、ループ利尿薬を使う。
ループ利尿薬は、サイアザイド系よりも利尿効果は高いが、降圧効果は低い。
なので、効果不十分の場合に併用することがある。
参考:https://xn--rbt9ni59fe5e.com/%E8%A1%80%E5%9C%A7%E8%96%AC/%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-2.html
作用機序の違いから副作用や薬効の強さが違うので、症例ごとに使い分けをすると考える。

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