消化器内科

消化管まとめ

消化管領域の知識についてまとめる。

病態、検査、治療などの国試に出やすい部分をメインに書いていく。

私が分からない部分を備忘録としてまとめる。

食道

食道アカラシア

食道は蠕動運動により食物を胃へと運ぶ。そのとき、タイミングよく下部食道括約筋が弛緩する。

食道アカラシアでは、食道壁の中の神経の異常のため、下部食道括約筋の弛緩が生じず、食物が食道内に停滞する。

食物が飲み込めないため、嚥下障害、嘔吐などの症状が生じる。

食道造影でくちばし状の狭窄がみられる。


出典:http://www.jsps.gr.jp/general/disease/iu62r6/yeg50e

胃食道逆流症(GERD)=逆流性食道炎

胃酸が食道に逆流し、胸焼け・呑酸・乾性咳嗽などの症状をきたす。

胸焼け・・・みぞおちのあたりが焼けるような鈍い痛み。
呑酸・・・・胃液が口の中に逆流する。

食道と胃のつなぎ目である噴門部の弛緩、食道と胃のつなぎ目が上昇する食道裂孔ヘルニアにより逆流防止機能が弱まることなどが原因。

食道裂孔ヘルニアは腹圧の増加で起こる。

そのため、肥満・前屈・妊娠している人は腹圧が増加するために食道裂孔ヘルニアにかかりやすいため、逆流性食道炎のリスクとなる。


出典:https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/hiatal_hernia/

食道の粘膜は通常扁平上皮であるが、逆流性食道炎により炎症を起こすことで、胃と同じ円柱上皮になった粘膜をバレット粘膜といい、このような食道をバレット食道をいう。

さらに、バレット食道に続いてバレット食道がんが起こる。

なので、逆流性食道炎には、バレット食道腺癌が合併する。

内視鏡で食道粘膜にヒトデ型粘膜像が見られる。


出典:http://www.jikeisurgery.jp/diseasegroup/upper-dig/esophagus/reflux/index.html

マロリーワイス症候群

嘔吐により、腹圧が上昇し、食道下部から胃の入り口に圧力がかかることで、粘膜が縦に裂けて、出血する。

裂創の深さは粘膜下層まで。

食道下部から胃の小弯側に好発

自然治癒するので、原則経過観察だが、重症例は内視鏡でクリッピング

以下はクリッピングによる止血後の写真。


出典:http://hospital.luke.ac.jp/guide/03_gastroenterology/index.html

原因としては、飲酒後に嘔吐を繰り返すことが多い。


出典:http://onakasoudan.com/%E5%98%94%E5%90%90%E7%89%A9%E3%81%AE%E8%89%B2%E3%81%8C%E9%BB%92%E3%81%84/

ブールハーブ症候群(特発性食道破裂)

嘔吐による腹圧上昇により、食道圧が高まり、食道壁の全層が裂ける疾患。

マロリーワイス症候群と同様に、飲酒後の嘔吐が原因になることが多い。

治療はope。

食道・胃静脈瘤

出典:https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/13734

肝硬変により門脈圧が亢進すると、肝臓へ血流が流れにくいため、門脈→大静脈へと流れる側副血行路ができる。

これが、胃や食道でボコボコした血管として観察される。


左:食道静脈瘤 右:胃静脈瘤

出典:https://www.tokushukai.or.jp/treatment/digestive/syokudo_i_jomyakuryu.php

治療は硬化・結紮・BRTO(ブルト)

食道がん


出典:http://square.umin.ac.jp/matsudalab/research/page4.html

喫煙、飲酒がリスク。

食道癌が進行すると、喉が狭くなるので、飲み込みにくくなるので、嚥下障害をきたす。

機能性ディスペプシア

内視鏡で見ても異常がないのに、胃の働きに問題がある疾患。

食後の胃もたれや早期満腹感などがみられる。

GIST(消化管間質腫瘍)

胃や小腸の壁にできることが多く、粘膜下に腫瘤状の病変を形成する粘膜下腫瘍。

肥厚性幽門狭窄症


出典:https://www.babycome.ne.jp/kidsmedica/id/20155000/

胃の出口の幽門筋が肥厚することで、ミルクが胃内にとどまり、噴水状に嘔吐する。

生後2-3週以降の男児に多い。

ミルクは胃より後にはいかないので、胆汁は含まれない(非胆汁性嘔吐)。

噴水状嘔吐は以下の通り。

胃がん


出典:https://gastro.igaku-shoin.co.jp/words/%E8%83%83%E7%99%8C%E3%81%AE%E8%82%89%E7%9C%BC%E5%9E%8B%E5%88%86%E9%A1%9E

胃がんは以下の6つに分類される。

0型・・表在型

1型・・腫瘤型

2型・・潰瘍限局型

3型・・潰瘍浸潤型

4型・・びまん浸潤型

5型・・分類不能

0型は粘膜下層までにとどまる早期胃癌であり、さらに5つに分類される。

Ⅰ型・・隆起型

Ⅱ型・・表面型
Ⅱa型・表面隆起
Ⅱb型・表面平坦
Ⅱc型・表面陥凹

Ⅲ型・・陥凹型

回盲部

急性虫垂炎


出典:http://www.osakacity-hp.or.jp/juso/about/departments/surgery/appendicitis.html

異物や糞石によって、虫垂が閉塞し、細菌感染により炎症が起こる。

腹痛が心窩部から右下腹部へ移動するのが特徴。

痛みが移動する理由は、内臓痛→体性痛へと痛みの種類が変わるから。

なぜ虫垂炎の痛みは移動するの?

• 刺激伝導路の違い(内臓痛、体性痛)によるとの説。
• 初期の虫垂の炎症による壁の浮腫や閉塞機転による内圧上
昇し、その疼痛刺激がTh8−10から脊髄内に入る。この神経
は、痛みの部位がはっきりしない漫然とした腹部正中の痛み
として感じる。これが内臓痛。
• 腹膜まで炎症が波及すると、腹腔内にある体節的な神経が刺
激され、痛みの部位がはっきりして、右下腹部に限局した痛み
に変わる。これが体性痛。

出典:http://www.iwate-med.ac.jp/hospital/wp-content/uploads/2016/08/d30f0b5a3c86763c9f532c0e6d7e556a.pdf

診断には、造影CTが有効。

腹部エコーでは腸管の後ろにあるときに見えないし、他疾患を除外、手術適応の決定に有用だから。

参考:https://medpeer.co.jp/press/_cms_dir/wp-content/uploads/2014/05/Posting_140326.pdf

治療は虫垂を切除する。

腸重積症

口側の腸が肛門側の腸の中に入り込む状態。

腸の内腔に突出した物(リンパ腺の腫れ、ポリープなど)が、腸の蠕動運動によって肛門側に引き込まれることで起こる。

エコーでターゲットサインが見られるのが特徴的。


出典:https://www.slideshare.net/m_komatsu/2014-35028502


出典:https://millymilly.jp/column/28958

イチゴジャム便といわれる粘血便も特徴的。

陥入した腸管への血流が悪いため、虚血となり、粘膜が痛むことで出血することで起こる。

小腸

腸閉塞(イレウス)

何らかの原因によって、腸の内容物の流れが止まる疾患。

腸閉塞では、水分やガスが腸内にたまるため、立位の腹部X線でニボーといわれる気液体境界像が見られる。


出典:http://radiographerx.blogspot.com/2015/05/1.html

腸管内にガスがたまって腹部が膨隆する鼓腸となったり、揺するとチャプチャプとした振水音が聞こえる。

腸閉塞は以下のような種類がある。

癒着性イレウス・・開腹手術後に腸が癒着することで起こる。最も多い。

麻痺性イレウス・・開腹手術、腹膜炎などが原因で腸管が麻痺することで起こる

腸間膜動脈閉塞症

小腸や大腸を栄養する上腸間膜動脈や下腸間膜動脈が詰まる疾患。

原因は、動脈硬化で狭くなった血管に血栓が詰まるパターンと心房細動で心臓にできた血栓が流れてきて詰まるパターンがある。

そのため、リスクは、動脈硬化や心房細動となる。

診断は、造影CTで血管が詰まっているかを確認。

栄養する部位

上腸間膜動脈・・小腸のほとんど・右側大腸

下腸間膜動脈・・左側大腸

新生児壊死性腸炎

未熟児人工乳の新生児に多い。

未熟な腸管に血流障害や感染が起こることで発症。

腹部X線検査で、腸の壁の中にガスがある腸管壁気腫症がみられる。

また、腸の壁が破れた場合は、腹腔に空気が漏れ出るため、腹部膨満が見られる。

腸回転異常症

発生において、腸の回転が不十分なために起こる腸管の障害。

小腸が捻転して血行が悪くなる中腸軸捻転があれば、緊急ope。

中腸軸捻転はカラードプラで赤と青が入り乱れるwhirlpool signがみられる。


出典:https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/10585

大腸

過敏性腸症候群

器質的異常はないのに、下痢と便秘を繰り返したり、下痢や便秘が続く。

主な原因はストレス。ストレスにより自律神経のバランスが崩れることで起こる。

排便で軽快する。

憩室炎

大腸の壁にできる袋のことを憩室といい、それが炎症を起こすことを憩室炎という。

偽膜性腸炎

抗菌薬の長期投与により、正常の菌叢が減少し、クロストリジオイデス・ディフィシルが増殖するという菌交代現象が起こる。

その結果、クロストリジオイデス・ディフィシルの菌毒素によって起こる。

治療は、原因薬を中止し、メトロニダゾール、バンコマイシンを投与。

大腸内視鏡で偽膜がみられる。


出典:http://ojisanot.seesaa.net/article/417760584.html

虚血性腸炎

大腸の血流障害により、粘膜に炎症が潰瘍ができる。

突然の左下腹部痛をきたすことがある。

高齢者、DM、HTなどの基礎疾患をもつ患者に発症しやすい。

治療は、絶食で輸液、抗生剤投与などの保存的療法をし、経過観察。

大腸がん

飲酒や喫煙でリスク上昇するが、運動でリスク低下する。

生活習慣と関連がある。

40歳以上は年に1回、大腸がん検診を受けることが推奨される。

検診内容は、免疫学的便潜血検査。

十二指腸

十二指腸潰瘍

夜間や早朝などの空腹時の腹痛が特徴的。

空腹時に腹痛が起こる原因は、空腹時は胃内に食物がないため、胃酸によりpHが下がることが原因か。

牛乳や食物を食べると、胃酸が薄まるので、痛みが軽減する。

上腸間膜動脈症候群


出典:https://ooasa.org/custom9.html

十二指腸水平部から上行部が腹側から上腸間膜動脈、背側から腹部大動脈に挟まれて閉塞する。

治療は、体位変換。

仰向けで悪化するので、前屈、腹臥位、左側臥位にして、狭窄がとれる姿勢をとる。

直腸

直腸癌


出典:https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/15590

Rs:直腸S状部
岬角S2下縁・・・高位前方切除術
Ra:上部直腸
S2下縁腹膜反転部・・・低位前方切除術
Rb:下部直腸
腹膜反転部〜恥骨直腸筋付着部上縁・・・腹会陰式直腸切断術(Miles手術)

※Rs、Ra、Rbの境界となる岬角、S2下縁、腹膜反転部を覚える。

前方切除術・・・お腹側から切開。癌のある腸管を切除し、縫い合わせる。

高位前方切除術・・・腸管の切り口を腹膜反転部より上で縫い合わせる

低位前方切除術・・・腸管の切り口を腹膜反転部より下で縫い合わせる

ヒルシュスプルング病

生まれつき腸の神経節細胞がないことで、重い便秘や腸閉塞をきたす。

胎便排泄遅延みられる。

診断は、動きの悪い腸と範囲を調べる注腸造影で行う。

直腸肛門内圧測定検査で肛門括約筋の弛緩反射がみられないという異常を確認する。

肛門

肛門周囲膿瘍


出典:https://www.adachi-ichou.com/consultation/11.html

歯状線にある肛門陰窩に細菌が入り、膿瘍が形成される。

激しい痛み、発赤、腫脹、発熱をきたす。

治療は切開排膿。

 

 

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