神経内科

MRIの撮影法の違いは?

MRIの撮影法はたくさんあります。

T1強調、T2強調、ADC、拡散強調、T2スター、FLAIRに関しては整理して覚えておきたいですね。

MRIの撮影法の違いは?

MRIの撮影法で覚えておきたいのは以下の6つです。

・T1強調

・T2強調

・T2スター

・拡散強調像(diffusion weighted image:DWI)

・FLAIR

・みかけの拡散係数:ADC (apparent diffusion coefficient)map

MRIの種類特徴わかる疾患など
T1強調水が黒なので、脳室も黒
白質が灰白質より白い
大脳皮質と白質などの解剖学的な構造が捉えやすい
T2強調水が白なので、脳室も白
灰白質が白質より白い
多くの病巣が高信号となるので病変の抽出に有用
T2スター鉄沈着やヘモジデリンが真っ黒になるので、出血が黒くなる出血性病変(黒色)
過去の出血巣確認
無症候性微小出血
FLAIR水の信号を抑制したT2強調画像
(脳室が黒のT2強調画像)
ラクナ梗塞
慢性期脳梗塞(白色)
脳室と隣接した病巣が明瞭に描出
拡散強調像脳梗塞となると細胞が浮腫になり、細胞外液腔が狭くなる。すると、水分子のブラウン運動が阻害されて、拡散が低下し高信号となる。急性期脳梗塞の部位判定(白色)
ADC(みかけの拡散係数)map拡散が上昇すると高信号。
水分子のブラウン運動を定量化したもの。
 

灰白質は脳の外側。白質は脳の内側。


出典:http://bb.hiroyukimurata.jp/tag/katsushika-hokusai/

氷は水よりもブラウン運動が小さいので、拡散は低下し、ADC値は低下する。

また、細胞密度が高いと水分子が拡散しにくいため、ADC値は低下する。


出典:http://www.fdcnet.ac.jp/gazou/textbook/2015poster.pdf

細胞性浮腫は、DWI高信号、ADCmapで低信号。

血管性浮腫は、DWIで等信号(時に高信号)、ADCmapで高信号となる。

MRIで確認できる浮腫は細胞性と血管性の2種類に分けられます。血管性浮腫はDWIでは等信号(時に高信号)と分かりづらく、ADCマップで高信号という所見になります。細胞性浮腫は脳梗塞の超急性期での所見で、DWIが高信号、ADCマップでは低信号として描出されます。このように、DWIとADCマップを組み合わせて信号の違いを見れば、細胞性浮腫と血管性浮腫の鑑別が可能になります。


出典:https://www.m3.com/open/clinical/news/article/493076/

超急性期脳梗塞のMRI所見

超急性期脳梗塞では、DWI高信号、ADC低信号、FLAIR変化なし。

といった所見となる。

脳梗塞では、血管支配領域に梗塞が見られるため、血管支配領域に一致するかも確認。

複数の血管の支配領域を跨ぐようにあれば、感染などを考える。

 

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