抗コリン薬は、緑内障と前立腺肥大症に禁忌なのは有名です。
今回は、なぜ抗コリン薬が緑内障と前立腺肥大症に禁忌かについて考えていきたいと思います。
抗コリン薬とは?
出典:https://yakuzaishiharowa.com/medical_pharmacy/autonomic_nerve.html
抗コリン薬とは、アセチルコリンがアセチルコリン受容体のムスカリン受容体に結合するのを阻害する薬のことです。
有名なのはアトロピン。
副交感神経の節後線維の受容体は、ムスカリン受容体なので、副交感神経は遮断されます。
しかし、上の図でわかるように神経伝達物質がアセチルコリンであっても、受容体がニコチン受容体の場合は、作用が働かないことになるのです。
アセチルコリン受容体の種類は?
アセチルコリン受容体には、ムスカリン受容体とニコチン受容体の2種類がある。
抗コリン薬が緑内障と前立腺肥大症になぜ禁忌?理由は?
抗コリン薬が緑内障に禁忌なのはなぜ?
抗コリン薬により、副交感神経が遮断されると、交感神経が優位になり、散瞳をきたす。
すると、房水の排出される経路である隅角が閉塞するため、眼圧が上がる。
よって、抗コリン薬は緑内障に禁忌である。
抗コリン薬が前立腺肥大症に禁忌なのはなぜ?
抗コリン薬により、副交感神経が遮断されると、交感神経が優位になるため、膀胱が弛緩する。
その結果、尿の排泄がしにくくなるから。
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抗コリン薬を使って交感神経優位になって眼圧が上がるのに、エピネフリンなどの交感神経刺激薬が緑内障に対して禁忌になっていない理由はなぜですか?
エピネフリンも緑内障には、禁忌ですね。
抗コリン薬は頻繁に使われるので、強調されているのかもしれません。
アドレナリン注射液の添付文書の禁忌項目に以下のように書かれています。
引用:「狭隅角や前房が浅いなどの眼圧上昇の素因のある患者(点眼・結膜下注射使用時)※[閉塞隅角緑内障患者の発作を促進することがある.]
※本剤には,点眼・結膜下注射の適用はない.」
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2451402G1040_1_04/
→抗コリン薬を使って交感神経優位になって眼圧が上がるのに、エピネフリンなどの交感神経刺激薬が緑内障に対して禁忌になっていない理由はなぜですか?
学術的に考えると、眼圧があがるだろうの予測、学術→だから禁止すべきと思いますが、現実には開放隅角緑内障には安全である。
との眼科ドクターからの御達しにより解放はOK閉塞は禁忌ということになりました。