急性喉頭蓋炎とクループ症候群(急性声門下喉頭炎)の違い
急性喉頭蓋炎 | クループ症候群 | |
別名 | 急性声門下喉頭炎 | |
病態 | 喉頭蓋の腫脹により急速に嚥下困難、吸気性呼吸困難、努力呼吸をきたす。窒息することもある | 声門下喉頭が炎症により腫脹し、狭窄する |
好発 | 成人に多い | 3歳以下の乳幼児 |
主な起因菌 | インフルエンザ菌(Hib) | パラインフルエンザウイルス |
症状 | 咽頭痛 嚥下痛 嚥下困難 | 犬吠様咳嗽 吸気性喘鳴(ストライダー) 吸気性呼吸困難 |
嗄声の有無 | なし | あり |
緊急性 | あり | なし |
喉頭鏡所見 | 喉頭蓋の腫脹:正常構造がわからなくなっている 出典:※ | 声門下の腫脹(中央の黒いところが狭くなる) 出典:※ |
X線所見 | 頚部側面:喉頭蓋腫脹 出典:※ | 頚部正面:ペンシルサイン 出典:※ |
治療 | 気道確保(気管挿管、緊急気管切開、輪状甲状間膜切開) 抗菌薬点滴静注 副腎皮質ステロイド点滴静注:炎症を抑えるため NSAIDs:炎症を抑えるため | 対症療法(ウイルスが原因だから): 加湿 O2吸入 輸液 炎症による喉頭浮腫: ネブライザー療法 (アドレナリン+ステロイド吸入) |
急性喉頭蓋炎は、喉頭蓋がインフルエンザ菌により炎症をきたすことで、嚥下困難や吸気時呼吸困難をきたす。
急速に進行し、窒息をきたすので、まず気道確保が必要。
気管挿管、輪状甲状靱帯切開、緊急気管切開により気道を確保する。
気道確保後は、原因は細菌なので、抗菌薬静注が有効。
痛みや炎症に対して、NSAIDs、副腎皮質ステロイド点滴静注を投与する。
一方、急性声門下喉頭炎はウイルスが原因で、声門の下の喉頭が腫脹することで、犬吠様咳嗽や吸気性呼吸困難、喘鳴、嗄声をきたす。
治療は、ウイルス性なので抗菌薬は無効。
対症療法として、酸素投与、輸液、加湿。
ネブライザーでアドレナリンとステロイド吸入。
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