血液検査

RCPCとは?方法は?

RCPCとは?

RCPCとは、Reversed Clinico-Pathological Conferenceの略語です。

直訳は、逆臨床病理学的会議という意味。

症状や診察所見の情報なしで、臨床検査データだけをもとに、症例の病態について推定し、議論すること。

検査値を臨床応用する上で、とても有意義な教育技法になります。

RCPCの読む順番

RCPCの読む順番は以下の通り。

いつもこの順番で検査値を読むことで、読み落としがなくなります。

1栄養状態
2患者の全身状態の経過
3細菌感染症の有無
4細菌感染症の重症度
5敗血症の有無
6腎臓の病態
7肝臓の病態
8胆管の病態
9細胞傷害
10貧血
11凝固・線溶系の異常
12電解質異常
13動脈血ガス

1栄養状態

評価項目
・アルブミン
・総コレステロール
・コリンエステラーゼ

アルブミン、総コレステロール、コリンエステラーゼが基準値内であれば、十分に栄養が補給されていて、全身状態が良好であるといえる。

食事が十分にとれていて、消化管で分解・吸収されることで、アルブミン、総コレステロール、コリンエステラーゼの材料が肝臓に運ばれることで合成される。

・基準値より低いなら栄養状態が悪い可能性がある
・CRPが上昇していれば、アルブミンやコリンエステラーゼ低下は産生低下ではなく、炎症による消費増大によった異化亢進が原因の可能性の方が高い

2患者の全身状態の経過

評価項目
・アルブミンー活動性疾患の状況
・血小板ー血管内の炎症

アルブミンは、活動性疾患があれば低下し、回復すれば上昇する。

なので、減少が見られれば悪化していると評価でき、低下がなくなれば、悪化も改善もない。

上昇が見られれば、回復してきたと評価できる。

血小板は、血管内に炎症が及べば低下し、炎症がなくなれば増加する。

また、フィブリノゲンも減少が悪化、上昇すれば改善しているといえる。

3細菌感染症があるか

評価項目
・白血球
・白血球分画(特に幼若好中球=骨髄球+後骨髄球+杆状球)

杆状球が15%を超える左方移動がみられるかどうかを評価する。

左方移動がないのに、白血球減少があるなら、骨髄から好中球の供給がまだ行われていない感染早期(12時間以内)であると考えられる。

著しい左方移動がみられ始めた場合は、骨髄から好中球の供給が開始されたといえる。

高度の左方移動があるうちは、骨髄で好中球のフル産生が行われていると考えられる。

左方移動がなくなってくることは、骨髄での好中球の産生が低下してきたといえる。

また、感染巣では好中球が消費される。特に、分葉球といった効力の高い成熟好中球から消費される。

細菌感染巣の状態が改善するにつれて、好中球の消費量が減少してくる。

・杆状球(または幼若好中球=骨髄球+後骨髄球+杆状球)が15%を超える左方移動がみられるか、白血球数の推移から細菌感染巣の状況を推定する

4細菌感染症の重症度は?

評価項目
・幼若好中球が分葉球の割合を超えるか
・左方移動を伴った好中球減少があるか

左方移動を伴った好中球減少は、体が感染症に十分に対処できていないことを意味しており、重症の細菌感染症であることを意味する。

5敗血症の有無

評価項目
・血小板
・フィブリノゲン

血小板やフィブリノゲンの減少があれば敗血症の合併の可能性がある。

6腎臓の病態

評価項目
・クレアチニン
・尿素窒素(UN)

クレアチニンに問題がなければ、糸球体濾過量が保たれており、腎機能に異常はないといえる。

BUNが高値なら、BUN/Cre比を計算し、10以上の場合は、脱水などの腎外性因子を考える。

例えば、ヘモグロビン低下も見られれば消化管出血などの可能性もある。

7肝臓の病態

評価項目
肝細胞傷害ーAST、ALT、LD
肝臓の代謝機能ー総ビリルビン
肝臓の合成能ーコリンエステラーゼ

肝臓に集中しているALTが上がっていないなら、肝細胞傷害はない。

ASTとLDが相関して上昇している場合は、肝細胞以外の細胞傷害と考える。

総ビリルビンが基準値内なら、肝臓の代謝機能に問題はないといえる。

肝臓の合成能は、アルブミンでは評価できず、コリンエステラーゼも複数回の測定が必要である。

ALTは肝に集中して分布、ASTは広域に分布。
・ALT、ASTともに上昇なら肝臓の細胞障害の可能性。
・ASTのみ上昇なら、肝臓以外の細胞障害の可能性もある。

8胆管の病態

評価項目
・γ-GTP
・ALP

γ-GTPが基準値なら、胆管胆道系の閉塞性障害ではない。

ALPが著しく高いなら、肝臓(薬剤性)、骨、胎盤、小腸由来のALPも考慮する。

しかし、どの臓器由来のALPであるかは判断が難しい。

9細胞傷害

評価項目
・AST
・ALT
・CK(CK-MB)
・LD

LDやASTの上昇があれば、どこかの細胞障害の可能性がある。

CKは上昇しているが、CK-MBが正常なら、骨格筋の細胞障害の可能性。

LDとCKが連動しているかをみて、連動がないなら他の細胞障害が存在すると考える。

10貧血

評価項目
・ヘモグロビン
・MCV
・鉄
・フェリチン

ヘモグロビン低下があれば、貧血を考える。

MCVから小球性、正球性、大球性かを判断する。

正球性なら出血や溶血の可能性がある。

BUNやBUN/Cre比から出血の有無を考え、溶血はビリルビンが正常であれば可能性は低いと考える。

11凝固・線溶系の異常

評価項目
・PT
・AT
・フィブリノゲン

血小板↓、PT↑などから敗血症に伴うDIC様病態を考える。

凝固・線溶性は改善がみられるのに、血小板低下がみられるなら、血小板が局所で消費されていると推定する。

12電解質異常

Na、Clの上昇は点滴による過剰投与の可能性が高い。

K低下なし、Na上昇なら、アルドステロン上昇が原因とは考えにくい。

Caはアルブミンで補正して考える。

13動脈血ガス

なし

 

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