心電図

心電図読み方|基本を理解するための10のポイント

正常心電図の波・間隔の定義を知る

出典:https://www.kango-roo.com/sn/k/view/1260

心電図を理解するためには、まずは正常心電図の定義と意味を理解することが必要です。

P波、QRS波、T波の3つが基本でしょう。

ポイントは、PQ間隔(時間)、QT間隔(時間)です。

PQ間隔 P波の開始からQRS波の開始まで
QT間隔 Q波の開始からT波の終わりまでの間隔

PQ間隔は波の最初から最初までなのに、QT間隔は波の最初から終わりまでと定義が一定でないのです。

なので、QT間隔の定義は例外的に覚えておく必要があります。

PQ時間が0.20秒(大きいⅠマス)以上でI度房室ブロック

QT時間が0.48秒(大きい2.4マス)を越えるのがQT延長の目安。

波の定義と意味

P波ー1番最初の波。心房の興奮を示す。

QRS波ー心室の興奮を示す。

Q波ーQRS波で最初の下向きの波。

R波ーQRS波でQ波に続く大きな波。

S波ーQRS波でR波に続く下向きの波。

T波ーQRS波に続く波。心室の再分極(興奮からさめる)を示す。

ちなみに、大きいフレはQ、R、S(大文字)、小さいフレはq、r、s(小文字)と表すが、相対的で厳密には決まっていないとのこと。

電極V1~V6の貼り付け場所を把握する

出典:http://saringi.jp/images/H25_sinjinkensyukai/20131027_sinndennzu-2.pdf

V1ー第四肋間胸骨右縁

V2ー第四肋間胸骨左縁

V3ーV2とV4を結ぶ線上の中点

V4ー第五肋間と左鎖骨中線の交点

V5ー左前腋窩線上のV4と同じ高さ

V6ー左中腋窩線上のV4と同じ高さ

あきみちゃんこくし

あー赤V1

きー黄V2

みー緑V3

ちゃー茶V4

こくー黒V5

しー紫V6

ちなみに、貼り付ける電極の色は番号順にあきみちゃんこくしというゴロで覚えることができます。

V1は右心の場所にあり、V6にかけて左心の方へと回り込んでいくと考えればいいでしょう。

出典:https://medi.atsuhiro-me.net/entry/2016/01/20/233042

手足の電極の付け方は以下のようになる。

右手首ー赤

左手首ー黃

左足首ー緑

右足首ー黒

あきみちゃんこくし

あー赤

きー黄

みー緑

こくー黒

こちらのゴロで、右手首→左手首→左足首→右足首という時計回りになっていると覚えておけば記憶可能です。

四肢誘導は別のゴロもありますが、「あきみちゃんこくし」というゴロ合わせを使いまわした方が覚えやすいですね。

両方とも左から右側へと時計回り方向にゴロになっていると認識すれば混同もしにくいでしょう。

 

心電図の仕組みは?

Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ誘導の仕組み

心電図の基本は2つの電極間で起こる電気の流れを記録するというものです。

マイナス電極からプラス電極へ向かう電気の流れは、心電図上では上向きの波として記録さます。

反対に、プラス電極からマイナス電極へと向かう電気の流れは心電図では、下向きの波として記録されるのです。

心電図のⅠ、Ⅱ、Ⅲ、aVR、aVL、aVFはすべてこの仕組みになっています。

Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、aVR、aVL、aVFを理解するには、アイントーベンの三角形を理解しなくてはいけません。

出典:http://nuhw.sakura.ne.jp/physiol/pr1/ecg2/met2.html

アイントーベンの三角形とは、3つの電極でだけで、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲという3つの双極誘導を記録できるというもの。

一つの電極がプラスとマイナスの両方の役割を持つことで可能になっています。

右手の誘導は常にマイナス電極、左足の誘導は常にプラス電極であることは覚えておいた方がいいでしょう。

後、Ⅰ誘導が逆三角形の上、Ⅱ誘導が右側、Ⅲ誘導が左側とおぼえておけばいいです。

すると、Ⅰ誘導の方向が、右から左。

Ⅱ誘導が右上から左下。

Ⅲ誘導が左上から右下。

ということが理解できるでしょう。

aVR、aVL、aVFの仕組み

出典:http://www.hanakonote.com/kango/ecg3.html

aVR、aVL、aVFは、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲと違って不関電極という3つの電極の中心に作られた架空の電極をマイナスとして、3つの電極をプラスと見ることでできるものです。

そのため、aVRは右方向、aVLは左方向、aVFは下方向の誘導と考えることができるでしょう。

胸部誘導V1~V6の仕組み

出典:http://www.senkensoi.net/old/ssnet/mechatronics/080104.html

さきほど説明した不関電極をマイナス電極として、V1~V6をプラス電極とした誘導。

心筋は内側から外側に向かって脱分極するため、電気は電極に向かって流れる。

そのため、V1~V6すべてにおいて、P波、QRS波は上向き波形となる。

電極の意味する部位

V1・V2-右心室側

V3・V4ー左室前壁・中隔・心尖部

V4・V5・V6ー左室側壁

まとめ

Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、aVR、aVL、aVFのそれぞれの誘導の方向性を理解すると、心電図の異常が何を意味するかを理解しやすいくなる。

 

パターンで覚えるもの

病態ごとの心電図所見は、見るだけでなく言葉で説明できるように特徴を理解しておくと覚えやすいし、判別しやすくなる。

超緊急な不整脈

心室細動(VF:Ventricular Fibrillation)


出典:https://med.toaeiyo.co.jp/contents/cardio-terms/disease/3-50.html

心室がバラバラに動いている状態。

心電図所見

・大きさ、間隔がバラバラ

・P波、QRS波、T波の識別はできない

cf.別の心室細動の心電図


出典:https://www.kango-roo.com/sn/k/view/1877

心室頻拍(VT:Ventricular Tachycardia)


出典:https://med.toaeiyo.co.jp/contents/cardio-terms/disease/3-49.html

心室頻拍が起こる仕組みは2つある。

・心室の筋肉の細胞が変性し、異常に速い刺激が発生する

・刺激が旋回する異常な電気的回路ができる

心室期外収縮が心拍数120回/min以上で、3連発以上出現するもの。

30秒以上持続するものは持続性心室頻拍。

それ未満のものは非持続性心室頻拍。

心電図所見

・幅広いQRS波に似た同じ波形が連続で出現

・P波やT波の識別は不可能

心静止


出典:https://inoti-aed.com/adaptation-of-aed/

心室の収縮がない状態のこと。

心電図所見

・波形がみられない

無脈性電気活動(PEA)


出典:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12185762067

心電図上は波形を認めるが、脈拍を触知できない状態。

心室細動や無脈性心室頻拍は除く。

緊急な不整脈

心房細動(AF:Atrial Fibrillation)


出典:https://medical.jiji.com/medical/012-1025

心房がブルブルと震えている状態。

心電図所見

・RR間隔がバラバラ

・基線が細かく揺れる(f波)

・P波が見られない(心房は細かく震えているが、全体として収縮がないから)

心房粗動


出典:https://med.toaeiyo.co.jp/contents/cardio-terms/disease/3-48.html

1分間に300回のペースで心房内で命令がクルクル回る。

2回に1回、心室に命令が伝われば心拍数は150回/分

4回に1回、心室に命令が伝われば心拍数は75回/分となる。

心電図の所見

・F(ラージエフ)波という下向きに尖った波が見られる

・RR間隔は一定(命令は一定の速さで規則的に伝わっているから)

・F波間隔は一定(命令は一定の速さで規則的に伝わっているから)

発作性上室頻拍(PSVT:Paroxysmal supraventricular tachycardia)


出典:https://medical.jiji.com/medical/012-1026


出典:https://psvt-abl.blog.so-net.ne.jp/2010-06-23

心室まで行った命令が異常な経路を通って、心房へ戻り、再び心室へと伝わる

普段はなんともないが、何かのきっかけで突然始まり、突然終わるので、発作性といわれる。

心電図の所見

・RR間隔は一定

・narrowQRS

・P波がみられない(P波がQRS波に重なるから)

洞不全症候群


出典:https://home.hiroshima-u.ac.jp/cardio/arrhythmia/about.html

洞房結節の命令が数秒間心房に伝わらないため、数秒間心房と心室の収縮が見られなくなる

心電図の所見

・数秒間、P波もQRS波も見られない

3度房室ブロック(完全房室ブロック)


出典:https://www.ecg-cafe.com/cat2/2-15

心房からの命令が心室へ一切伝わらない。

しかし、脚やプルキンエ線維から心室へゆっくりとしたペースの命令が出る。

心電図所見

・PQ間隔がバラバラ

・P波は正常

・RR間隔は広い

2度房室ブロック


出典:http://www.aneto.co.jp/medical_personnel/case/?p=67

心房の命令が心室に伝わったり、伝わらなかったりする。

心電図所見

・PQ間隔は一定

・QRS波がたまに抜ける

 

他に知っておくべきこと

narrowQRSとwideQRSの違いから上室性と心室性を区別する


出典:心電図の話 基本の『き』

QRS幅はQ波とS波が基線に戻る部分の幅で見る。

小さい3マスを超えていたらwideQRS。

narrowQRS・・・上室から命令が出ている

wideQRS・・・心室から命令が出ている

※上室・・・心室より上。心房、房室結節、ヒス束のこと。


出典:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1446454949

定義

narrowQRS・・・小さい四角3個未満

wideQRS・・・小さい四角3個以上

 

今後まとめること

誘導の種類と違いを理解する

軸偏位

肥大所見

ST上昇と異常Q波について

心筋梗塞の部位の推定

疾患特異的な波形

急性心筋梗塞でなぜSTが上昇するか?

鏡像 ミラーイメージとは?

https://blogs.yahoo.co.jp/soyashi/1806257.html

 

 

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